古い家の断熱リフォームって何すればいいの?効果や工事の方法について解説

古い家に住んでいて寒さに悩まれている方は、断熱リフォームをすることで悩みを解決することができます。

「古い家だと断熱リフォームをしても効果がないのでは」と考えられている方もいるかもしれません。
断熱リフォームをすることで古い家でも十分に断熱性能を得ることができるので、この記事で解説します。

古い家の断熱リフォームを検討している方は参考にしてください。



目次

古い家における寒さの原因は

そもそも古い家の寒さの原因はどこにあるのでしょうか。
寒さの原因を知ることで、家のどの部分に対策をする必要があるか判断することができます。

研究所長

家の部位ごとに原因を解説します。

家の中で熱の出入りが多い箇所が窓です。

古い窓は、寒さの大きな原因となります。
古い家によくみられるアルミ製の窓は、軽くて耐久性がある反面、アルミ部分や1枚ガラス面が熱を伝えやすい特徴があります。
したがって、古い家の窓は冬の冷たい外気の温度を家の中に多く伝えてしまいます。

また、新築時はしっかりと閉まっていた窓は、建物が経年劣化することでゆがみ、すき間ができることがあります。
すき間ができるとすき間風が室内に入ったり、暖房で温めた室内の空気が外へ逃げることになり、寒さの原因となります。

床が冷たい、底冷えすると感じる古い家は、床下に断熱材が入っていない、もしくは断熱材が機能していないことが寒さの原因と考えられます。

今では、新築時に床下の断熱材を入れることはあたりまえなことになっていますが、30年以上前の建物では、断熱材が入っていないことがあります。
もしくは経年劣化によって断熱材と仕上げの床材の間にすき間ができてしまい断熱材が十分に機能を果たさない状態になっていることがあります。

断熱材がなければ、床下に溜まった冷たい空気の影響を室内にまともに伝えてしまうので家が寒くなります。

古い家の壁は、内側が土壁でできていることがあります。

土壁は、壁の断熱材として一般的に使われるグラスウールと比べると1/10~1/20程度の断熱性のしかありません。
土壁でできている古い家の壁は、外の冷たい外気からの影響を和らげることなく、室内に伝えてしまうため家が寒くなります。

屋根裏

屋根裏に断熱材が入れられていないと外の冷たい空気の影響を受け、家の寒さの原因となります。

コールドドラフト現象

コールドドラフト現象とは、冷たい空気は下に、温かい空気は上に集まる空気の動きを表す現象です。

暖房器具で暖かくなった家の中の空気は部屋の上のほうに集まり、冷たい空気が下へ流れ込むことによって、冷たい風が足元に吹くような形になります。

研究所長

吹抜けがあるつくりでは、特に起こりやすく、家の中で寒さを感じる原因のひとつです。

古い家における断熱リフォームの効果

古い家の寒さは、断熱が正しくされていないことが原因です。

断熱リフォームは、古い家の寒さ対策に効果を発揮します。
断熱材が正しく入っている建物は、室内の空気が、外の冷たい空気から受ける影響を抑えることができます。

また、暖房によって温められた室内の空気を外に逃がさない効果も得られるので、温かい室内環境をつくることができます。
断熱リフォームをすることで、寒さ対策以外に以下の効果が得られます。

省エネ

断熱リフォームをすることで、省エネ効果が得られます。
外気からの影響を受けにくくなるので、暖房が効きやすくなります。

また、省エネになり、光熱費を抑えることができます。

結露対策

断熱リフォームをすることで結露対策になります。

断熱性能が低い建物の場合、室内の暖かい空気が、外気からの影響によって冷たくなった壁にあたることで、急激に温度が下がり、空気中にある水蒸気が結露してしまうことがあります。

断熱リフォームをすることで、室内にある空気の温度と壁の温度差を小さくして結露の発生を抑えることができます。

断熱リフォームの工事方法について

断熱リフォームには、窓に対して行う工事と床や壁、天井に断熱材を入れる工事があります。

窓の断熱リフォーム

窓の断熱リフォームには以下の3種類の工事方法があります。

断熱リフォーム一覧
  • 複層ガラスに交換
  • 内窓の設置
  • リフォーム窓に入れ替え

それぞれ詳しく解説していきます。

複層ガラスに交換

出典:https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/glass_attachment

工事費用:3万円~10万円/箇所

窓の断熱リフォームで簡単に行うことができるのが、単板ガラスを複層ガラスに交換する工事方法です。
ガラス面からの熱の出入りを抑えることができるので、寒さ対策になります。

アルミ製のレールや枠はそのままなので、アルミ部分の結露が発生する可能性は変わらないことは知っておく必要があります。

内窓を設置

出典:https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/madoremo-plamadou

工事費用:6万円~20万円/箇所

次に、内窓を設置する工事方法があります。
今ある古い窓の内側に樹脂製の窓を設置する方法で、熱の出入りを抑えることができます。

窓の断熱リフォームでは、最も効果が得られる工事方法です。防音対策にも効果があります。

研究所長

出入りに2回窓を開け閉めする必要があることが、デメリットです。

リフォーム窓で入れ替え

出典:https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/madoremo-kodate

工事費:12万円~30万円/箇所

リフォーム用の窓を使って窓を入れ替える断熱リフォームの工事方法があります。
窓の入れ替えというと室内側、外壁側を壊さないとできないのではないかと考える方がいるかもしれません。

リフォーム用の窓でYKKAP製マドリモ、LIXIL製リプラスといった商品があります。
このような商品を利用することで、室内側、外壁側を壊すことなく断熱性能が高い窓に交換することができます。

床、壁、天井の断熱リフォーム

床、壁、天井の断熱リフォームには以下の3種類の工事方法があります。

工事方法
  • 外張り断熱工法
  • 外断熱工法
  • 内断熱工法

それぞれについて解説していきます。

外張り断熱工法

工事費用100万円~200万円/戸 ※木造住宅の場合

外張り断熱工法は、木造や鉄骨造の建物に対してボード状の断熱材を柱などの構造材の外側に張り付けて住宅全体を覆う工法になります。

主に発泡プラスチック系の断熱材が使用され、すき間なく断熱材を張り付けることができるので、高い断熱効果が得られます。
外側からの工事で完結するので住みながらのリフォームに対応することが可能です。

研究所長

一方で、断熱材の外側に新しい外壁の仕上げ材を施工する必要があるので、どうしても費用が高くなります。

外断熱工法

工事費用150万円~250万円/戸

外断熱工法は、主に鉄筋コンクリート造(RC造)の建物に対して外側を断熱材で覆う工法です。

コンクリートには、熱を蓄える特性があります。
この特性を活かすのが、コンクリートの建物での外断熱工法です。

外壁の外側に断熱材を施工すると、コンクリートが外気の影響を受けにくくなり、暖房によって温められた室内の空気によってコンクリートが熱を蓄えます。
外断熱工法による断熱リフォームでRC造の建物は、快適な室内環境を得られます。

内断熱工法

工事費用200万円~300万円/戸

内断熱工法は、充填断熱工法ともよばれる柱などの構造材の間に断熱材をいれる工法になります。
ボード状やシート状、粒状の断熱材をいれる木造住宅において広く採用されている断熱工法です。

断熱性能が経年劣化による影響を受けにくく安定しているというメリットがあります。
新築ではコストが安い内断熱工法ですが、リフォームという視点からすると必ずしもそうとはいえません。

断熱リフォームを検討する古い家では、柱の間に断熱材をいれる内断熱工法を採用するには、土壁をすべて落とす必要があります。
住宅全体を断熱リフォームするには、室内側の壁をすべてはがして、土壁を落とし、断熱材を入れてからあらためて壁紙を張って仕上げることになるので工事費用が高くなります。

研究所長

また、住みながら工事を行うことも施工方法を考えると難しいといえます。

古い家の断熱リフォームで注意すること

断熱リフォームをするにあたっては、工事を行う箇所によっては、金額に対して必ずしも得られる効果が比例しないことに注意する必要してください。

大きな窓がある部屋では、窓に対して内窓を設置する場合と壁に対して断熱リフォーム工事を行う場合では、壁の工事費用が高いにも関わらず、内窓の方がより断熱効果を得られることもあります。

断熱の目的や寒さの原因を総合的に判断して断熱リフォームを検討するようにしてください。
断熱リフォームは、正しく工事を行わないと十分に効果を得られないので、検討している方は、ぜひ専門業者に相談するようにしてください。

研究所長

どこに依頼すればよいか分からない方は一括査定サイトを利用するといいでしょう。

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