築年数が経過すると外壁材は色褪せたり、ひびが入ったり、目地が切れたりなどといった劣化が起こってきます。
築10年前後をめどに外壁にもメンテナンスをしていくことを考え検討される方は多いでしょう。
外壁のメンテナンスの種類には、既存の外壁材を撤去し、新しく張替える方法、既存の外壁材を塗装して防水などの面を良くする方法、既存の外壁を残して、新しい外壁材をその上にはっていくという外壁カバー工法があります。
今回は、外壁カバー工法を施工する際に失敗しないために詳しく解説していきたいと思います。
外壁カバー工法とは

外壁カバー工法とは、既存の外壁の上に新しい外壁材を張っていく外壁の重ね張りのことをいい、工事期間も短くすることが出来る工法となっています。

とても良い工法なのですが、やはり外壁カバー工法にも良い点・悪い点はありますので、ここでメリット・デメリットについてお話ししていきます。
外壁カバー工法を検討されている方はご参考にしてみてください。
外壁カバー工法のメリット


- 防音や断熱効果を得る事が出来る
- 工事期間の短縮が可能
- 仮住居などの用意が不要
防音や断熱効果を得る事が出来る
既存の外壁材をそのままにして使用するため、外壁の厚みは必然的に厚くなってきますので防音性や断熱性がカバー工法をした方が良くなります。 防音性に関しては、生活音や子供のピアノの練習などの音も近所に迷惑になりにくくなるのでカバー工法にした場合助かりますし、外での車やバイクの音などが聞こえにくくなり静で快適に家族の時間を大切にした生活が送れるでしょう。
工事期間の短縮が可能
既存の外壁の撤去や処分時間、既存の外壁を撤去した際に下地材の補修や修復といったことに時間がかからないなどを考えると工事期間も短縮することが出来、外壁カバー工法だと工事期間も短くなります。
仮住居などの用意が不要
カバー工法の場合、一度既存の外壁を撤去してしまう方法だと住みながら工事をしてもらうのが難しい時がありますが、カバー工法の場合は、既存外壁を残してありますので 住みながら生活をしながら工事を進めてもらえるので仮住居などの用意が不要となります。
外壁カバー工法のデメリット


- 既存外壁の調査がおろそかになりがち
- 地震に対して弱くなる
- 結露や湿気などが発生しやすい
既存外壁の調査がおろそかになりがち
既存の外壁をそのままに残した状態で新しい外壁材を取り付けるので、既存の外壁材が傷んでいたり、外壁の下地が傷んでいたりします。 補修が必要な場合があったとしても気づければよいのですが、そのまま新しい外壁材をカバー工法してしまうとメンテナンスや補修が行われることなく放置といった状態になってしまいます。 外壁は新しくなりよいのですが、中が悪い状態のままだと後からメンテナンスや補修といったことになると大事になってしまいます。 既存の外壁などの調査をしっかり行うこともカバー工法前にするのは大切なことかと思います。
地震に対して弱くなる
既存の外壁材をそのまま残した上に新しい外壁材をカバーするということは、現在の建物の重量に新しい外壁材の重みが加わります。 地震の揺れなどのことを考えて現代の家の新築は軽量化を図る研究などが行われている中で重みが加わるのはやはりデメリットになってくるでしょう。外壁のカバー工法を検討する際は、新しく選ぶ外壁材を軽いものを選ぶなどして少しでも重みを減らすようにすることを検討する方が良いでしょう。
結露や湿気などが発生しやすい
既存の外壁材と新しい外壁材の間に出来る隙間に結露や湿気などが発生します。 外壁材の間に出来る隙間の空気の流れを考えておかないと中から腐ってくるといった良くないことが起こってしまいます。 既存の外壁材と新しい外壁材の間に設置する胴縁の位置は、きちんと空気が流れる配置にするように設計してから施工してもらうようにしましょう。
外壁カバー工法の費用について
外壁カバー工法の費用について、カバー工法に使う新しい外壁材の材料において一般的によく知られている以下の一番人気のあるガルバリウム鋼板の2種類で比較してみたいと思います。
- 窯業系サイディング
- 金属系サイディング
窯業系サイディングの場合


m2単価が4000円程度となり比較的費用を抑えて施工することができますが、窯業系サイディングは重みが重量がありますので、外壁をカバー工法した際に家全体の重量を上げてしまうというデメリットはあります。
金属系サイディングのガルバリウム鋼板の場合


m2単価が5000円程度となり窯業系サイディングより費用はかかりますが、ガルバリウム鋼板は窯業系サイディングより軽い材料になるので家全体の重量は上がりますが、少しで済むので地震等に対してはこちらの材料の方が優れております。
カバー工法に使う材料の費用の違いはこのような感じになります。
カバー工法費用
- 存外壁の調査費補修
- メンテナンスが必要な場合はカバー工法する前に補強などをしておく費用
- 仮設足場費用
そういった費用も含めて外壁カバー工法をする際にかかる費用は、家の大きさなどによって変わってきますが、150万円~必要となってくるでしょう。



他の外壁のリフォーム工事となる、塗装、張替えにかかる費用は、塗装の場合100万円~張替えにかかる費用は、200万円~となってくるでしょう。
塗装 | 100万円~ |
張替え | 200万円~ |
外壁カバー工法を失敗しないための注意点


外壁をカバー工法する時に失敗しないよう気にかけてほしい点を紹介します。
ちょっとしたことから後で後悔してしまわないように業者任せにはしないで、施工方法にも少し目を向けてみてください。
外壁カバー工法をするときの注意点として、既存の外壁材の上に新しい外壁材を張っていくと窓や玄関扉などより外壁材の方が厚くなってしまうといったことが起こります。
その際、窓枠や玄関扉枠、勝手口の扉の枠といった部分も新しい外壁材より少し厚くなるようにカバー工法していかなくてはいけません。
それをきちんとしていないと外壁と窓や扉の隙間から雨が入ったりして雨漏れの原因になってしまいます。
雨漏れが発生して気が付く時には、既存の外壁もかなり雨などの水で傷んでしまっている状態であることが考えられます。
もしもかなり傷んでいる状態になってしまっていたら、新しく張った外壁材をはがさなくてはいけなになどのことが起こってしまいますのできちんと施工してもらうようにしましょう。
窓枠、扉枠などをカバー工法して新しい外壁材のカバー工法に対処する場合窓や扉枠の開口寸法が小さくなるといった形で変わってくることもありますので、施工業者の方によく説明をしてもらうようにしましょう。
開口が狭くなってしまってからでも大型家具や家電の搬入がしにくくなったりと、生活に支障をきたす場合がありますので注意して下さい。
失敗する原因を理解して、外壁のカバー工法を行おう
外壁カバー工法のメリット・デメリットや費用などについてご紹介してきました。
カバー工法を選んでよい点もたくさんありますが、地震のことなどを考えるとデメリットとなってしまう面もありましたのでカバー工法を検討される際は今回ご紹介したことを参考にしていただければ幸いです。
大切な家族と住む大事な家のメンテナンス、費用も安いものではありません。
外壁カバー工法を施工してから失敗したと思わなくてもよいように、よく考えてから自分の家にあった外壁の良いリフォーム・メンテナンスを選んでください。
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