底地の相続は危険?トラブルの内容と解決策を解説!

底地を相続した場合、トラブルに巻き込まれることがあります。
そのため、底地を相続する際にはどのようなリスクがあるのかを把握し、納得のうえで進めることをおすすめします。

この記事では底地の相続に関するトラブルと、その解決策について解説します。



目次

底地とは

チェック
底地

底地とは貸している土地の呼び名です

建物を建てる際に土地を借地として借りることがありますが、その際には土地に借地権を設定するのが一般的です。

そして、借地権が設定され建物が上に建っている土地のことを底地と呼びます。

尚、土地を借りている側からは借地」と呼ぶのが一般的です。
どちらも同じ土地を示しているため、間違えないよう注意しましょう。

底地相続のトラブル内容

注意

底地を相続するということは、土地を貸した状態で相続するということになります。
そのため、通常の土地とは違ったトラブルが発生する可能性があります。

ここでは、底地を相続する際の代表的なトラブルについて解説します。

底地相続トラブル一覧
  • 相続課税額が高い
  • 賃上げが難しい
  • 売却できない

相続課税額が高い

底地に設定される借地権は非常に強力な権利となっており、底地の所有権を持つ売主は自由に土地を使用することができません。

そのため、底地の資産価値は底地ではない土地と比べ、2割程度だといわれています。それに対し、相続税のベースとなる相続税額は通常の評価額に対し、7割減程度になります。

つまり、評価額1億円の土地であれば評価額は7,000万円となるのに対し、実際の資産価値は2,000万円ということになり、相続する際の金銭的メリットがありません。

また、メリットがないのであれば誰が相続するのかで大きく揉めることにもなり、相続時の資産分割協議が長期化する可能性があります。

このように、相続税を払うほど底地に価値がないというケースでは、親族間でトラブルが発生する可能性があるでしょう。

賃上げが難しい

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底地を活用し賃料をもらうためには建物の所有者と借地契約を締結する必要がありますが、借地借家法では正当な理由なしに賃上げをすることはできません。

つまり、原則は一度決めた賃料のまま契約満了まで変更できないことになりますが、借地契約の内容によっては契約更新を地主が拒否できないというケースや契約期間が50年と長期となるケースもあります。

このことから、相続前に定められてた賃料が何十年にもわたって変更できないというケースは多くあります。
そのため、土地によっては固定資産税額の上昇により赤字となってしまうトラブルもあるでしょう。

このようなことがないよう、相続前には賃料と契約内容を確認しておくことが重要です。

売却できない

底地の資産価値は相場の2割程度だと前述しましたが、その理由として活用がほとんどできないという点が挙げられます。

底地に設定されている借地権により、所有者は底地を別の用途に使用したり借家人に出ていってもらい更地にして売却することができません。

そのため、そもそも底地を欲しがる人は少なく、さらには相場の2割程度が売却価格となります。

このように、高い相続税を払って取得した底地を売却しようとしても、相続税よりもかなり安くなってしまうケースが多いといえます。

底地トラブルへの対策

底地を相続し有効活用するためには、事前にトラブルを把握し解決することが重要です。

ここでは底地のトラブルに巻き込まれないための対策について、解説します。

底地トラブル対策一覧
  • 複数名義で相続する
  • 賃上げの根拠を用意する
  • 借地人に売却する
  • 投資家に売却する

複数名義で相続する

相続税を抑えるためには、複数名義で相続することが最も効果的な解決方法です。
底地の相続は性質上損をすることが多く、単独相続の合意は難しい場合もあります。

また、売却できない上に固定資産税は支払い続けなければならないというデメリットもあります。
こうしたトラブルに対応するために、複数の相続人が所有することでそれぞれの負担を減らすことができます。

賃上げの根拠を用意する

原則、底地の賃料は上げることができません。
しかし、正当な理由があれば賃上げ要求をすることができます。

  • 「周辺の相場が上がったため」
  • 「固定資産税額が増加したため」
  • 「売主の生活が困窮し、売却する必要がある」

このような理由は賃上げの正当な理由として合意される可能性があります。
そのため、建物所有者とは感情的に要求をするのではなく、しっかりと根拠を用意し説明しましょう。

根拠となる書類は、固定資産税額が分かる通知書やインターネット上で取得できる付近の家賃相場などです。
これらの情報を使い、根気よく賃上げ交渉することで合意を得られる可能性が上がります。

借地人に売却する

底地は有効活用ができないため売却が難しいとされていますが、建物所有者である借地人にとっては大きなメリットがあります。

底地を借地人が購入することで賃料を支払い続ける必要がなくなり、通常の土地よりも安く購入することができます。
また、建物についても借地権付き建物という扱いではなく一般的な戸建てとなるため、建物の資産価値も上がります。

このように、他の人にメリットがない底地であっても借地人には大きなメリットがあります。
そのため、底地を売却する際には必ず借地人に声をかけ、購入の意思を確認しましょう。

投資家に売却する

投資家

投資目的で不動産を購入する投資家にとっては、借り手が長期間にわたって固定されている底地は魅力的な投資物件だといえます。

そのため、底地の売却をスタートし物件公開すると投資家からの問い合わせを多く受けることになり、場合によっては相場の2割以上でも売却できます。

このように、売却のターゲット層を一般顧客から投資家に変更することで、売却しにくい底地を高値かつ早期売却することが可能となるでしょう。

底地の相続は慎重に

まとめ

底地を相続する際には評価額と賃料をしっかり確認し、失敗や後悔のない相続取得としましょう。

何故なら底地は売却がしにくく、賃上げも容易ではないからです。
このことから、底地をうまく活用できるイメージを事前に持った状態で相続することが重要です。

また、どうしても売却しなければならない場合は必ず借地人にまず提案し、購入しない場合は投資家をターゲットにして売却を進めることをおすすめします。

この記事では底地に関するトラブルと解決方法について解説しました。

注意点

底地トラブルは相続人全員を巻き込む可能性があり、親族間で仲違いするケースもあります。

このようなことにならないよう、底地を将来相続する可能性がある場合は事前に取り扱いを親族間で協議し、スムーズに底地の相続ができるようにしましょう。

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