不動産投資を行う場合、狙うエリアを地方都市にするのか大都市にするのかは重要なポイントです。

なぜなら資金が有限である以上効率的な投資を継続する必要があり、ターゲットにするエリアを見誤ると投資資金回収に長い年月がかかるからです。
しかし、地方都市と大都市のどちらかが投資エリアの正解というわけではなく、そしてこの事実が多くの投資家を悩ませる原因にもなっています。
この記事では不動産投資をするエリアを決める際に地方都市を選択した場合、どのようなメリットとデメリットがあるのかを解説します。
現在投資を行っている人やこれから不動産投資を始める人は、是非最後までお読みください。
不動産投資における地方都市と大都市の違い


そもそも地方都市と大都市の違いはどのように捉えられるのでしょうか。
様々な違いがありますが、不動産投資として重要なのは利回りがよい投資ができるかどうかです。
そして、その目的を達成するためには次に挙げるポイントを把握しておくべきでしょう。
ここでは地方都市と大都市の違いについて、人口、世帯数、物件価格という切り口で解説します。
- 人口
- 世帯数
- 物件価格
人口
地方都市と大都市の人口は、次のようになります。
大都市は100万人以上、地方都市は50万人以上100万人未満としています。
(引用サイト:市区町村の人口規模別一覧 | 地域包括ケアシステムの構築に関する事例集 | 厚生労働省)
地方都市/大都市 都市名 人口(人) 大都市 横浜市 3,707,843 大都市 東京23区 6,778,294 大都市 大阪府 2,663,467 大都市 名古屋市 2,247,645 大都市 札幌市 1,919,664 大都市 神戸市 1,555,160 大都市 川崎市 1,425,472 大都市 広島市 1,180,176 大都市 仙台市 1,038,552 地方都市 北九州市 982,763 地方都市 千葉市 958,161 地方都市 相模原市 710,798 地方都市 岡山市 701,923 地方都市 船橋市 615,876 地方都市 松山市 516,964 地方都市 宇都宮市 516,546 地方都市 東大阪市 502,164



地方都市と大都市では3倍~12倍の人口差があり、不動産投資をする上では大都市の方が顧客が多いということが見て取れます。
世帯数
人口では大都市の方が多いという結果でしたが、世帯数ではどのようになるのでしょうか。
ここでは政府が公開しているデータを基に解説します。
尚、大都市は政令指定都市、地方都市は大都市を除く15万人以上の県庁所在市として抽出しています。
(参照PDF:地方・都市階級別調査世帯数及び調整係数(単身世帯) 単位区区分 地方)
エリア 地方都市/大都市 人口(世帯) 北海道 大都市 518,508 東北 地方都市 178,278 関東 大都市 3,365,519 地方都市 204,528 北陸 大都市 632,089 東海 地方都市 206,635 近畿 大都市 1,205,255 地方都市 119,047 中国 大都市 265,656 四国 地方都市 279,861 九州 大都市 563,593 地方都市 285,277 沖縄 大都市 - 地方都市 46,396



人口と同様、各エリアの世帯数においても大都市と地方都市の差は大きくなっていますが、北海島・東海エリアや北陸・東海エリア、中国・四国エリア、九州エリアの差は小さくなっています。
そのため、上記のエリアであれば地方都市と大都市の選択ミスをするというリスクは少ないといえるでしょう。
物件価格
不動産投資において、物件価格は重要です。
ここでは地方都市と大都市の物件価格差について解説します。
(引用サイト:指定流通機構の物件動向(令和4年10月))
エリア 成約価格(万円) 全国 3,502 北海道 2,048 東北 2,127 北関東・甲信越 2,392 首都圏 4,432 北陸 2,017 中部圏 2,348 近畿圏 2,849 中国 2,281 四国 1,664 九州・沖縄 2,207



首都圏は全国平均よりも大きく上回っていますが、他のエリアでは平均以下となっています。
この結果から首都圏以外でもマンションの成約が活発だということが分かり、マンションの需要が高いことになります。
そのため、購入だけでなく賃貸の需要も少なからずあることが予想され、地方での不動産投資は成功する可能性が高いといえるでしょう。
地方都市で不動産投資を行うメリット


前述したデータより、地方都市でも不動産投資を実施できる可能性が分かりました。
ここでは前述したデータに加え、地方都市で不動産投資を行う上でのメリットを解説します。
利回りのよい収益物件を手に入れるための参考にしてください。
- 初期投資費用が安い
- ランニングコストが低い
- 利回りが改善する可能性がある
①初期投資費用が安い
利回りをよくするためには初期投資費用を抑える必要があります。
そして、不動産投資でもっとも大きい初期投資費用が、物件の購入代金です。
前述したデータによると、首都圏と地方では2,800万円近い価格差があり、地方都市の方が不動産投資は始めやすいといえるでしょう。
また、初期投資を低くすることは投資失敗のリスクを下げることができるため、重要なメリットです。
②ランニングコストが低い


地方都市は地価や人件費が大都市に比べて安いため、管理修繕費や駐車場代といったランニングコストを下げることができます。
購入代金とランニングコストを抑えることでしっかりと利益を確保できるようになるため、不動産投資を進める際にはどのくらいのランニングコストになるのかを把握しておきましょう。
③利回りが改善する可能性がある
地方都市は大都市に比べ人口と世帯数が少ないため、家賃は比較的安くなります。
しかし、人口と世帯数は都市開発により突然増加することがあります。
そのような場合は周辺の家賃も上昇するため、賃上げを実施しても違和感なく受け入れてもらえるでしょう。
そして、家賃が上昇することで利回りが改善し、さらに良い収益物件となります。
地方都市で不動産投資を行うデメリット


地方都市での不動産投資にはメリットだけでなく、デメリットもあります。
そのため、次に挙げるデメリットを前述したメリットと同時に検討することが重要です。
- 流動性が低い
- 遠方だと管理工数がかかる
- 空室となるリスクが高い
①流動性が低い
不動産投資が成功するポイントは、月々の家賃収入+最後に売却した際の売却益がどのくらいプラスになるのかを予想しておくことです。
つまり、最後に売れやすい物件を購入することで利益回収が困難になる可能性が低くなり、より安定した不動産投資となるわけです。
しかし、地方都市は収益用物件だけでなく、通常の分譲マンションを探している買い手も少ないです。
そのため、すぐに売却できないという流動性の低さがデメリットだといえるでしょう。
②遠方だと管理工数がかかる
地方都市の物件にメリットがあるとはいえ、居住している場所から遠いと管理が難しくなり、地元の管理会社に任せたままになるケースも多いです。
このような状況では管理費の負担も大きく、投資物件の状態を確認できなければノウハウが蓄積できないため、利回りがよくとも投資自体が良好な状態だとはいえません。
このような状態にならないよう、必ず購入する物件は管理しやすいエリアに限定して、捜索しましょう。
③空室となるリスクが高い
人口と世帯数が少ない地方都市では借り手が少なく、一度空室になると長期間空き部屋になってしまうこともあります。
不動産投資において空き部屋となっている期間が長いと収益が悪くなり、売却計画を早めなければならないでしょう。
このように、地方都市での不動産投資は折角購入した物件を早期に手放す可能性があることを知っておきましょう。
まとめ


不動産投資を行う際に、地方都市と大都市のどちらを選んでも成功と失敗があります。
しかし、購入価格が安いという点においては地方都市に大きなメリットがあり、不動産投資を始めやすいという点においてはおすすめです。
また、地方都市での不動産投資にはメリットもデメリットもあります。
そのため、不動産投資を検討する際にはこの記事で記載したポイントをしっかりと確認し、よい不動産投資となるようにしましょう。
コメント