オーナーチェンジ物件から入居者を追い出しは可能?退去要請の方法を解説!

オーナーチェンジ物件の入居者とオーナーは賃貸借契約を締結し、入居者は賃料をオーナーに支払うことで使用権を得ています。

また、賃貸借契約の期間は民法上最大50年となっていますが、期間満了を待たずにオーナーの都合によって入居者に退去要請するケースもあります。

研究所長

このような場合に、入居者を追い出すことは可能なのでしょうか。
また、入居を追い出すことになる原因にはどのようなケースが考えられるのでしょうか。

この記事でわかること
  • オーナーチェンジ物件から入居者を追い出す方法
  • オーナーチェンジ物件から入居者を追い出すことになる原因

この記事ではオーナーチェンジ物件から入居者を追い出す方法について解説します。



目次

オーナーチェンジ物件から入居者を追い出すことは可能?

研究所長

結論からいうと、オーナーチェンジ物件から入居者を追い出すことは可能です。

入居者とオーナーの間で締結する賃貸借契約には、

  1. 普通借家契約と
  2. 定期借家契約

という2種類があり、借地借家法に定められた契約形態です。

この法律では賃借人である入居者が強力に保護されており、所有権を持つオーナーが不当に入居者を追い出すことができないようになっています。

≫ しかし、借地借家法第28条には、次のような記載があります。

(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)   建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

借地借家法
研究所長

つまり、「正当な事由」があり入居者に「立ち退き料」を支払うのであれば入居者に立ち退きを要請することが可能ということになります。

入居者に退去要請をする原因とは?

入居者に退去要請をする原因にはオーナー側の都合だけでなく、入居者に原因があるケースもあります。

この章のポイント
  • オーナーの都合で入居者を追い出すことは難しい
  • 入居者に原因がある場合は退去させることは比較的容易

この章ではオーナー側と入居者それぞれの原因について解説します。

オーナー都合による退去要請の原因

オーナー都合による退去要請となる原因の多くは、

  1. 売却したい
  2. 別の誰かに住まわせたいから

の2点になります。

オーナーチェンジ物件は毎月収益を得ることができますが、まとまった利益を生むためにはいくつものオーナーチェンジ物件を保有しなければなりません。

また、オーナーチェンジ物件として売却する場合は買い手も少なく、長期化する可能性もあります。
そのため、まとまった資金が欲しい場合には入居者を追い出し居住用物件として売却を検討します。

これ以外の理由として、自分もしくは親族が住むことになった場合や一度入居者を追い出し賃料を再設定して再募集するというケースが考えられるでしょう。

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ただし、上記の理由は前述した「正当な事由」として認められません。

そのため、オーナーの都合によって退去要請をし、入居者を追い出すことは非常に難しいといえます。

入居者に原因があり退去要請となる場合

オーナー都合ではなく入居者に原因がある場合には比較的簡単に追い出すことができます。

一例

たとえば「家賃を2ヶ月以上滞納」や「家屋を意図的に破損させ修復しなかった」「騒音や臭気など近所迷惑になる行為を繰り返した」といったケースです。

このような場合に対し、賃貸借契約にはオーナーの判断によって是正勧告し従わない場合は退去させることができる旨の記載があります。

そのため、入居者が起こした問題が契約書に記載されている退去要請に該当するのであれば追い出せる原因となるでしょう。

オーナーチェンジ物件から入居者を退去させるための方法は2つ

それでは、オーナーチェンジ物件から入居者を追い出す方法について解説します。

大きく分けて協議による賃貸借契約の合意解除訴訟となり、「協議」→「訴訟」という順番で入居者に退去要請するのが一般的です。

この章のポイント
  • 賃貸借契約の合意解除は協議が難航することが多い
  • 訴訟を起こしたからといって必ず追い出すことができるわけではない
  • 協議や訴訟で追い出しできなかった場合は、入居者との関係が悪化する

①協議による賃貸借契約の合意解除

入居者に退去して欲しい旨と理由、退去までの期間を伝え入居者の合意を得ることで賃貸借契約を合意解除することができます。

ただし、オーナー側の都合で解除する場合には正当な事由と立ち退き料が必要です。

立ち退き料は家賃3ヶ月分と引っ越し費用が相場と言われていますが、そもそも入居者が納得しなければ合意を得ることは難しいでしょう。

また、入居者が原因による追い出しであっても、居座られることが多いです。
そのため、協議による賃貸借契約の合意解除は難航するケースがほとんどです。

②訴訟を起こす

協議による合意解除が困難になった場合は訴訟を起こし、裁判の結審をもって退去命令を出すことになります。

ただし、訴訟では和解案が提示され結果的に追い出すことができないこともあります。

そのため、入居者に原因があり訴訟を起こしたからといって必ずしも退去させることができるわけではないことを知っておきましょう。

オーナーチェンジ物件から入居者を追い出す際の注意点

オーナーチェンジ物件から入居者を追い出す際には、確実に退去させることができる準備が重要です。

万が一退去申請に失敗した場合は入居者との関係が悪化し、気まずい関係のままオーナーチェンジ物件を保有しなければなりません。

また、そのような状態になってからオーナーチェンジ物件として売却をしても、相場よりも安い金額でなければ買い手が見つからないでしょう。

研究所長

そのため、弁護士の無料相談や不動産会社に相談し入居者に退去要請するための準備と進め方を検討しておくことをおすすめします。

まとめ

オーナーチェンジ物件は収益を生み続ける投資ですが、オーナーの都合や入居者の原因によって入居者を追い出す事態になることもあります。

その場合には入居者が納得できる準備をし、後にトラブルが起きないよう退去要請を進めましょう。

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