
「オーナーチェンジしたけど、トラブルになるの嫌だな…」
「トラブルを回避する方法は無いかな?」
と不安や悩みを抱える家主様。
本記事では、賃貸不動産業界10年間の経験をもとに、オーナーチェンジ後に起こりえるトラブルや中古賃貸物件の購入前の確認事項、回避する方法をご紹介しています。
- トラブル事例
- 貸物件の購入前の確認事項
- トラブルを回避する方法
ぜひ、本記事を参考にしていただき、オーナーチェンジ後のトラブルの回避、トラブルにならないように確認事項にて、不安の少ない家主業を営んでいきましょう。
では、早速オーナーチェンジで起こりえるトラブル5選について、ご紹介していきます。
オーナーチェンジで起こりえるトラブル5選


オーナーチェンジをする物件は、購入する前の確認を怠ると、今後の収益にも関わるトラブルや予期せぬ出費などに巻き込まれてしまいます。
では、どのようなトラブルが起こりえるのかを、全部で5つをご紹介していきます。
①サクラ入居者のトラブル
サクラ入居者とは、入居者として家主が雇い、オーナーチェンジが完了すると退去する入居者のことをいいます。
今では、確認する方法もあり、このようなトラブルに巻き込まれる可能性は減少していますが、完全にゼロになったというわけではありません。
予定していた家賃収益が、サクラ入居者のせいで収益が減り、ローンの返済や今後の補修用として使う貯蓄の予定が変わり、家主業が困難になる場合があるのです。
このような状況になることを避けるために、後にご紹介する「レントロールで物件状況の確認」にて家賃の入金確認や現地に赴き、電気やガスメーターが回っているか確認をしましょう。
②入居者層の悪さでのトラブル
入居者層の悪さとは、資料上では確認することがかなり難しいです。
家主様1人が被害を受けるトラブルもあれば、今後の入居についても関わるトラブルもあるため、可能であれば避けたいところです。
このようなトラブルを避けるために後にご紹介する「過去の入居者トラブルの確認」や現地調査が大事となってきます。
③瑕疵の存在でのトラブル
オーナーチェンジには、入居者をそのまま引き継ぐということもあり、入居している部屋は見ることができないというデメリットが存在します。
もし、入居している部屋に大きな瑕疵(床が傾いている、構造上に欠陥など)がある場合、入居者が退去すると、いきなり大きな修繕費用が発生してしまいます。
そのような状況が起こらないように、前家主や管理会社に把握している損傷の確認や報告と違った場合の対処方法を決めておくと安心です。
また、大きな損傷が発生したとしても、修繕のことを考慮し、修繕費用を確保しておくと、より安心することができます。
低価格な賃貸物件の購入や価格交渉することがおすすめです。
④家賃収入減少の可能性でのトラブル


入居期間が長い入居者がいる場合、当時の家賃と現在の家賃で建物価値が変わるため、家賃が低くなる場合があります。
たとえば、10年前に入居し、当時の家賃は50,000円、10年経過した現在に退去し、新たに空室募集をかけるも、周辺相場で判断すると30,000円。
その差、1年間で24万円もマイナスになります。
そのような状況に陥らないためにも、最近の入居者の家賃や周辺相場を確認し、長く入居した方が退去することを考慮し、収益計算をするようにしましょう。
現段階で、周辺の家賃や他の部屋より家賃が高い場合は、あくまでラッキーとして考え、次に備える動きをしておきましょう。
⑤入居者との契約内容でのトラブル
契約内容は、前家主様と入居者との間で交わされている契約なので、購入前に内容を確認することができません。
契約内容には、以下などが存在します。
- 「ハウスクリーニング料なし」
- 「敷金ゼロ契約」
- 「定期借家契約」
もし、このような特殊な契約がされている場合、修繕費用の多くを新家主様が負担することや、定期借家といった契約期間が限定されている部屋があると、収益につながってくるので、気を付けましょう。
このような特殊な契約が無いか、前家主や管理会社にしっかり確認し、対応策を準備、最悪購入は控えることをおすすめします。
オーナーチェンジ物件購入前の確認事項


こちらでは、前述のトラブルに巻き込まれないために、購入する前に確認すべき内容を5つご紹介していきます。
この5つを確認するだけでも、今後の家主業が営みやすくなりますので、ぜひ、参考にしてください。
①レントロールで物件状況の確認
レントロールとは、現入居者全員の家賃履歴表のことです。
レントロールを見ることで、誰がいつから、いくらの家賃を支払っているかが一目で分かります。
前述でご紹介した「サクラ入居者」の確認にもつながり、オーナーチェンジ後の収益予測に使用することができるのです。
中古の賃貸物件を購入する前は、必ずレントロールを確認することを強くおすすめします。
②修繕履歴による未来の修繕予測


修繕履歴は、前家主様が、過去にどのような修繕をしてきたかを記載している資料です。
分譲マンションのように一室ずつ家主が違う建物にも存在し、その場合、管理組合がマンション自体の修繕履歴を所有しています。
建物を長くもたせるために、外観の塗装や屋上防水などの修繕、駐車場の舗装や白線工事などがあげられ、修繕履歴を見ることで、いつ修繕したのか、いくらかかったのかが分かるので、いつまで修繕しなくても良い、逆にいつやるべきなのかが予測できるようになります。
その修繕に向けて、費用を貯蓄することができるので、購入前にしっかり確認しておきましょう。
③現地に赴き、資料では分からない情報収集


オーナーチェンジ物件では、購入前にたくさんの資料を確認することができます。
前述でご紹介したレントロールや修繕履歴も含め、資料だけで確認しても、見えない部分が存在してきます。
チェックポイント
- スーパーやコンビニ、交通手段などの周辺環境がどのような状況になっているのか
- レントロールにある家賃収入は本当なのか
- 各部屋の電気、ガスなどのメーターは動いているのか
- 騒音や違法駐車などは無いか
他にも、前家主様や管理会社に今までの入居者たちの細かい情報(家賃滞納があったか、騒音問題はあったかなど)を聞くこともとても大事です。
④過去の入居者トラブルの確認
入居者のトラブルは、私が賃貸業界にいた時に、数多く体験してきました。
チェックポイント
- 「夜中に発狂に近い叫び声や大音量でテレビ、音楽を流すなどの騒音系」
- 「駐車場、駐輪場への違法駐車ならびに駐輪」
- 「ゴミ出しトラブル」
など体験したことをあげていけば、キリがありません。
オーナーチェンジ後に、上記のようなトラブルが発生し、全入居者に伝えたところで「売却後は知りません」で終わります。
そうならないために、購入前に上記のようなトラブルが無いか前家主様、管理会社、可能であれば、近隣住民に確認してみることがおすすめです。
⑤空室部屋の確認


オーナーチェンジ物件を購入する前に空室部屋がある場合は、内装を確認しておきましょう。
なぜ空室が埋まっていないのか、どのような内装なのか、入居が決まらない理由は内装に原因があるかもしれません。
もしかしたら、大きな修繕が必要になる部屋の場合もありますので、確認できる部屋は、全室確認しておくことをおすすめします。
オーナーチェンジ後に入居者とのトラブルを回避する方法
入居者とのトラブルを回避する方法として、以下があげられます。
- 上記までにご紹介した確認事項を全て行う
- 管理会社に委託する



管理会社は賃貸不動産管理のプロであり、どのようなトラブルが発生する可能性があるか、トラブルが発生した場合、それをどのように収束させることができるかも把握しています。
家主様が直接顔を出す事でトラブルがより激しくなる場合も考えられますので、トラブルが起きることを抑制、起きたとしても収束できる管理会社に委託することが、もっとも回避する方法として1番おすすめです。
オーナーチェンジのトラブルについてまとめ


本記事では、オーナーチェンジのトラブルについて、ご紹介してきました。
まずトラブルについて5つご紹介してきましたが、私は、当然全てを体験してきており、対応が難航しました。
トラブルの内容や相手次第では、裁判に発展することもあり、費用や時間が多くかかることもあります。
人によっては、トラブルが発生すると、綺麗に治まってくれるか気になり、睡眠不足や体調不良にもなりかねません。



トラブルを起こさないように、オーナーチェンジする前には、本記事の確認事項をしっかり確認し、トラブルが起きにくい家主業を営んでいきましょう。
確認事項が多く、建物のエリアによっては、現地への確認も難しい場合もありますが、これからの家主業のことを考えると、確認をしすぎても問題ないくらいです。
オーナーチェンジ後のトラブルを回避するために、ぜひ本記事を参考にしていただけたら幸いです。
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