オーナーチェンジ後の立ち退きで掛かる退去費用は?判例やかかった費用を紹介

研究所長

「退去してほしいけど、どのくらい費用払えばいいんだろう?」
「絶対費用を払わないといけないの?」

と退去依頼について、疑問、悩みを持っている家主様。

本記事では、オーナーチェンジ後に立退にかかる退去費用や退去費用を払わなくても良い可能性があるケース、退去を依頼するタイミングなどについて、紹介します。

この記事でわかること
  • 入居者に払う退去(立ち退き)費用はいくらかかる?
  • 退去費用を払わなくてもよいケースとは
  • 退去を依頼するタイミング

オーナーチェンジの退去関係について知りたい家主様は、ぜひ、本記事を参考にして、スムーズな退去のやりとりをしてみてください。



目次

オーナーチェンジ後の入居者に払う退去費用はいくらかかる?

オーナーチェンジ後に何らかの理由により、入居者に退去をお願いするケースは、いくつも存在します。

では、入居者に退去してもらいたい時に、いくら払えばいいのか。

答えは、金額は特に決まっておらず、入居者が納得すべき金額と判断されています。

ですが一般的には、

  • 次の引越先の契約金(敷金や仲介手数料など)の支払
  • 引越会社費用負担
  • 入居していた部屋の補修費の免除

などが挙げられ、お互い納得のいくラインで決定となり、平均では次の引越先である家賃の10~15ヶ月分です。

退去費用を払わずとも、退去が認められる可能性が高いケース

退去依頼について、家主様の都合で退去してもらう時は、費用を支払わなければいけませんが、なかには、費用を払わず、退去をお願いするケースもあります。

こちらでは、以下の費用を払わず、退去をしてもらうことが認められる可能性が高いケースを3つご紹介。

ぜひ、参考にしてください。

家賃滞納をしているケース

現入居者が家賃を滞納している場合は、費用を払わずに、退去をしてもらえる可能性が高いです。

ですが、家賃滞納の退去依頼には条件があり、可能なのは、入居者に金銭的余裕があるにも関わらず、家賃を支払わない場合です。

入居者の怪我や病気、失業による家賃滞納の場合は、入居者の意思による滞納ではないので、退去(立退)をするにはかなり難しいでしょう。

近隣住民に多大な迷惑をかけているケース

近隣住民に騒音やゴミ問題、威嚇などの迷惑をかけている場合は、退去してもらえる可能性が高いです。

ですが、そのような入居者は、最初から話に応じてはくれないでしょう。

おそらく弁護士への依頼、最悪裁判は免れないかもしれませんが、そのままにしておくと、他の入居者からのトラブルの増加、近隣住民からの苦情などにより、今後の入居率に大きく関わってきますので、早めの対応をおすすめします。

入居者層の悪い噂は、不動産屋もすぐに把握し、お客さんに迷惑をかけないために紹介を控えるので、今後入居率は悪くなる一方ですので、注意しましょう。

重大なる契約違反

契約には、さまざま条件があり、ペット不可、楽器不可など、他にも特殊な条件があります。

契約条件

契約条件とは、家主様が他の入居や近隣住民、建物のことを考え、決めた条件です。

それを守らず、契約違反をすると、退去してもらえる可能性が高いです。

ですが、一度、契約違反をやめてもらうようお願いをし、聞いてくれるのであれば、退去させることは難しいので、注意しましょう。

オーナーチェンジ後に立ち退きのための退去費用を払う必要性。

退去立ち退きは、お互いが納得をすれば、必ずしも退去費用を払う必要はなく、円満に解決するのであれば、退去費用は払う必要はありません。

ただ、家主が予定する計画に合わせて退去してもらうためや交渉を優位に進めるために、退去費用を支払うというケースが多いというだけです。

交渉期間が長くなるかもしれませんが、話をしていく事で払う必要がないのであれば、状況や内容に応じて、支払いの減額や未払いでも対応は可能です。

マンションのオーナーチェンジ後、退去を依頼するタイミングや方法とは?

オーナーチェンジ後に退去を依頼しやすいタイミングや方法は、全部で4つあり、それぞれの内容をご紹介していきます。

参考にしていただき、スムーズな退去依頼を対応していきましょう。

契約更新のタイミングに合わせて行動

賃貸契約では、更新は1年もしくは2年ごとに訪れますので、そのタイミングに合わせ、半年ほど前から交渉を進めていくことが有効的です。

契約更新では、更新手数料がかかることもあり、入居者も退去を考えやすいタイミングでもあります。

ですが、更新時に退去をお願いする時は、少々の退去期間のズレが発生したとしても、更新料の免除ならびに退去費用の一部免除は考えておいた方がいいでしょう。

定期借家契約に変更

契約更新まで退去に応じてくれない場合、新たな契約を定期借家契約に変更することも1つの方法です。

定期借家契約は、普通賃貸借契約と違い、契約期間に絶対的な定めがあり、決められた期間内に退去しなければいけません。

なかには、将来のことを見越して、最初から定期借家契約を結ぶ家主様もいらっしゃるほどです。

契約条件に家主様との面談や入居者との問題が無ければ更新という内容を付け加えことで、更新もできれば、更新のタイミングで退去してもらうようにすることが目的となります。

ですが、定期借家契約は、いつ契約を切られるか不明なため、入居者は安心して住めないことから契約を避けがちです。

つまり入居者が集まらないというデメリットが存在するので、更新条件は、お客様にはっきりとわかるように示しておきましょう。

退去費用の支払い

続いて本記事の主役でもある退去費用の支払いについてですが、入居者に物件のこだわりが少なければ少ないほど、退去費用を支払うことで、多くの入居者は応じてくれます。

更新のタイミングや前述でご紹介した退去費用を払わなくても、退去してもらえる可能性が高いケースに該当しない場合は、引越先の契約金や引越会社の費用などを負担し、退去してもらえるよう依頼をしてみましょう。

退去依頼による正当な理由の判例ならびに支払った費用とは?

入居者に対し、退去を依頼する場合は、家主側に正当な理由が無ければ、入居者は応じてくれません。

こちらでは、裁判で出た判例や退去費用をご紹介していきます。

今後、退去を依頼する場合の参考にしてください。

自己使用を目的とする立ち退き理由と退去費用

1つめは、家主は本業である仕事の転勤から戻ってきて、アパート暮らしをしていました。

入居者とは、10年ほどの賃貸借契約を締結しており、入居者は転居に伴う経済的能力は持っていたので、引越先の契約金ならびに引越費用を負担することで、正当な理由があるとみなされました。

その際は支払われた退去費用は、200万円とされています。

2つめは、家主は借地の近くのマンションで過ごしていました。

家族で居住するには手狭になったため、借地を契約している借主に対し、退去を依頼したところ、契約しているだけで現在は使用していなかったため、受諾。

退去交渉も何度かしていたという事もあり、正当な理由と認められ、かつ支払われた費用も0円でした。

自己使用を目的とする立ち退き理由が認められなかったケース

では、逆にどのような時に正当な理由として認められないのだろうか。

1つめは、家主様が長女夫婦と同居するために、借地の退去を依頼するも、家主様には別宅もあるということや借主は借地上に家を設け、家族と居住ならびに店舗経営を考えていたことから、正当な理由と判断されなかった。

2つめは、身体障がい者の子の社宅を建築するために、退去費用として300万円を提示するも、借地上には、複数の家族の居住場所となっていたため、正当な理由と認められなかった。

オーナーチェンジ後、退去費用についてトラブルを回避する方法

退去の依頼は、入居者への交渉や費用も発生する可能性があることから、不動産に詳しくない人間が行うと、トラブルに発展しやすく、入居者が不快に感じ、退去がスムーズにいかないケースが多くみられます。

退去依頼のトラブルを回避する方法としては、方法は2つあり、管理会社への委託、もしくは弁護士への依頼です。

管理会社は、不動産のプロであり、弁護士は法律のプロなので、退去に関して話をスムーズに進めてくれますので、トラブルに発展する可能性は一気に減ります。

むずかしい話は、1人で抱えるのではなく、専門業者に相談することをおすすめします。

オーナーチェンジ後の退去費用についてまとめ

本記事では、オーナーチェンジ後の退去費用について、ご紹介してきました。

退去依頼は、入居者も予期せぬ行為のため、期間が少なかったり、威圧的な態度で話をしたりすると、トラブルに発展しやすく、話が難航していきます。

もっとも簡単な行為が、入居者の退去費用を払うことで早々に解決するケースもありますが、それだけに頼っていると、家主様も費用がかかるだけでなく、払わなくてもいい費用が発生するケースもあります。

研究所長

私が賃貸管理をしていた頃、家主様が1人で話をした後に話を進めることになりましたが、すごく怒っている時から話がスタートし、結果、退去してもらうことになりましたが、想像以上に話が長引き、正直大変でした。

退去費用は、莫大な費用が掛かる時があるので、1人で抱えることなく、専門業者に相談しながら、適切な話し合いをすすめるようにしましょう。

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