暮らしの生命線である水道水、何気なく使っていますが、水を運んできてくれる水道管にも寿命はあります。 築年数が経っている一軒家の配管だと、金属管が使われていることも多く、現在最も使われている樹脂管と比べると耐用年数が短く、ひょっとするとすでに過ぎているかもしれません。 状態によっては漏水で水道費用が膨大になっていたり、ご自身の健康に被害を及ぼしている可能性があります。 こちらの記事を見てくれているということは少なからず、水道管の状態についてご興味があるのかと思われます。 この記事では、水道管の種類から、劣化で起こる問題、修理はどうすればいいかまでお話しています。 水道管の取り替えについて一通り全てわかるようにしてありますので、是非最後までお読みいただければ幸いです。
目次
一軒家における水道管の種類および寿命

配管に使われている素材は、年代によって異なります。 そのため、一概に建ててから何年建ったから交換、というわけにもいきません。 自分が予想していたよりも早めに耐用年数がきてしまうことがあるので注意が必要です。
なお、水道管の耐用年数は40年と一般的に言われていますが、これは減価償却といって会計上の耐用年数になります。 実際の水道管の寿命とズレが生じていることもありますので、気をつけましょう。
樹脂管
寿命:30~40年
現代で最も主流の配管です。 耐震性が高く加工もしやすい、化学物質にも強いです。 他と比べ価格が高めですが、長寿命かつメンテナンスがしやすいというメリットがあります。
硬質塩化ビニルライニング鋼管
寿命:20~25年
管の内部にビニルの膜を張り、鉄さびを発生させないようにコーティングした鋼管です。 築30年くらいの戸建てだと、こちらの管が多いかと思います。
水道用亜鉛メッキ鋼管
寿命:15~20年
錆びやすく不具合が多いため、現在は上水道での使用は禁止されています。 1997年以降の建物に使われていることはありません。 安価で扱いやすい一方、錆びが発生したり、使用されている亜鉛が水に溶けたりと、健康被害に繋がる不具合が多かったため、現在は使用禁止とされています。 使用している水道管がこちらのタイプだった場合、早急な交換をおすすめします。
一軒家における水道管の劣化で起こる症状

不具合が起こりやすい部分
まず、水道管で一番不具合が起きやすいのは、継手部分です。 硬質塩化ビニルライニング鋼管の耐用年数も、日本水道鋼管協会による公表データ上だと実は40年とされています。 しかし、実際には継手部分の早期劣化により、漏水事故が30年程度で起こってしまうのです。
水の異変
錆びや腐食による金属の劣化により、水が濁ったり、不純物が混ざったりします。 水の味が鉄っぽくなったりもするなど、生活に支障をきたします。
漏水
目に見えないところで大きな水漏れが起こると、工事も大掛かりになり、費用が高額になってしまいます。
- 水道管内部の劣化
- 水道管に生じたひび割れ
- 水道管同士を接続するボトルのゆるみ
- 凍結による水道管の破裂
が、よくある漏水の原因です。
掃除をしてもすぐに詰まる
水の出が悪くなったり、掃除してもすぐに詰まってしまう場合、管内に蓄積した錆びが水の流れを防いでいると思われます。
水道管修理の概要

水道管修理の相場は、配管のみの概算で30万円~です。 一軒家の構造によってはプラスで掛かってくるので、そこはリフォーム業者の方と要相談です。
工事概要
洗面所などの床下点検口がある場所に新規の水道管を一本引き込む。 ヘッダーと呼ばれる分岐部材を設置し、そこから各水道設備へと配管。 一階の水回りは床下から配管作業が可能だが、二階の水回りは配管経路によって壁や天井の仕上げを一部撤去、復旧する工事が別途必要になるため注意。
リフォームの工期
工期は1~2日程度です。 工事の間水道が使えなくなるので、使えない間の対応もきちんと考えておきましょう。
水道管の確認方法
ご自身の一軒家の水道管が鋼管か樹脂管のどちらを使用しているかわからない、といった場合もあるでしょう。その際は、台所か洗面所にある床下点検口を開けて覗いてみてください。 床下に水色と赤の緩やかに曲がる管が見えれば既に樹脂管が使われていることが確認できます。 もし金属の管しか見えなければ、水道管は鋼管の可能性が高いので、樹脂管への配管更新を検討すると良いでしょう。
注意点
配管の交換は基本的に床下に潜って行いますが、お風呂の下は潜れない場合があり、仮に潜れたとしても狭くて作業がしにくいことが多いです。そのため、お風呂をリフォームするタイミングで、一緒に水道管を交換するのが良いです。
また、二階の水回りへの配管工事は内装工事のタイミングに合わせると良いでしょう。
水道管修理業者の選び方

実績がある
最低でも10年以上続いている業者にしましょう。 自社サイトに施工例を載せているところであれば、技術面にも自信があることの表れですので、なお安心です。
資格を有している
水道工事には原則として資格が必要です。ただ、水漏れの修理や蛇口の交換など、簡単な工事であれば無資格の業者が修理を行っていても見過ごされているのが現状です。 給水管を引き込む工事をするには、給水装置工事主任技術者という資格が必要です。 上記の有資格者のいる、「指定給水装置工事事業者」であることを確認して依頼しましょう。
きちんとした見積もりをだしてもらえる
業者によっては、「水道工事一式」と工事内容をぼやかすことがあります。 こういう業者に限って適当な工事をして後々トラブルになります。 作業内容が明記されていないと、問題を指摘出来ずに泣き寝入りしてしまうことになってしまいます。 きちんと全ての作業を明記した見積書を出してくれる業者に依頼するようにしましょう。 もちろん、見積書には一式とかかれているだけでも、別途詳細資料を貼付されているのであれば問題ありません。
一軒家の水道管の寿命を把握して、然るべきタイミングでリフォームを。
一軒家の修繕というと、屋根や室内設備の事ばかり目がいきがちですが、水道管のようなインフラもきちんと整備しておかないと、最悪自身の健康に被害が及びます。 普段目につかない場所に設置されていることから気軽にリフォームも行えず、タイミングが重要になっていきます。
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