不動産投資で失敗しない賃料相場の調べ方とは?3つのポイントを抑える

正しい賃料相場の調べ方
検討している物件の賃料相場、なんとなくわかっていても、実際どれくらいまで高くしてもいいのか悩みますよね。

1000円くらいの賃料差でも、長い年月でみると大きな差になります。
物件の規模にもよりますが、百万円もの差がつくこともあるので、慎重に決めていきたいところです。

また、賃料相場を把握できていれば、利益の出ない物件も見抜けるようになるため、非常に重要な要素となります。

では、何を調べていけば賃料相場がわかるようになるのでしょうか?
今回はそんな賃料相場を調べるうえで大事な事項を詰め込みました。
最後まで読めば賃料相場の調べ方で困ることはなくなるでしょう。


目次

確実な賃料相場の調べ方

実際のところ、賃料の最適解を知る人など誰もいない、というのが本当のところです。
なぜかというと、大げさな言い方をすれば、まったく同じ条件の部屋はこの世に存在しないからです。

物件によって、間取り、駅からの距離、周辺の環境等、借り手は物件の内部条件、外部条件から色々考慮して住む物件を決めます。
全く同じ設備、間取りの建物を建てても、建てられる場所が違えば、それは全く違う物件です。
どうしてもこの条件で住みたい、という人がいれば、相場より賃料が高くても借り手がつくのが不動産賃貸です。

であるからして、住む際に優先される次項を考慮して周辺物件と比較、家賃を決定しなければなりません。
そして実際に成約した家賃は表にほとんどでてこないので、サンプルを持たない私たちは上記次項等を考慮しながら、工夫をして家賃を調べなければなりません。

この考え方を元に、ここからは、賃料の決定に大きく関わる次項、また、どうやって適正賃料を調べていくかを詳しく解説していきます。

賃料に大きく関わる事項、借りられやすい条件を把握する

賃料に最も関わる事項
  • 駅距離
  • 築年数
まず、なんといってもこの二つが最重要です。(主要な交通手段が車である県では、駅距離は無視してください)
これは家賃の他、駅距離と築年数を指定して、そこからさらに条件を絞りつつ物件を決めていく人が基本的に多いからです。

この2つを核として部屋の賃料が決まるので、必ずきちんと調べましょう。

駅距離

毎日通勤、通学で使うので、駅までの距離は非常に大事です。
特に首都圏通勤の方は毎日駅まで歩いて通うわけですから、家からどれくらいで駅まで着くか、というのは最も考慮される次項です。
5分、10分、15分と、5分単位の区切りで家賃が下がっていく傾向にあります。

特に10分を超えるか超えないかで、賃料的にも、検索の条件的にもかなり影響を受けます。
人間の心理的に10分以内だといいなぁ、それを超えてくるなら他の地域で10分以内の安いところの方がいいかな、となりがちです。

1分の違いが賃料の差を大きく分けるので、繊細になるべきところです。

築年数

日本はスクラップアンドビルド、新しいもの好きの文化です。
そして綺麗好きです。
比較的綺麗に整えてあるアパートでも、築年数が古いものは何となく避けられがちです。
また、ネット検索では築年数で古い物件を事前に省いてしまいがちなので、古いというだけで、目に触れる機会も激減してしまいます。

年数も駅距離同様、新築、5年、10年と、5年単位でどんどん家賃が下がっていきます。
特に気を付けたいのが、新築時の家賃です。
新築プレミアと言って、新築は家賃が高めでも比較的貸しやすいです。
その分、次に貸す際は一気に賃料が下がるので、そこを加味しながら収益計算をしなければいけません。

特にボロ物件投資では、このマイナス事項を前提に、ではどうすれば安い賃料で賃貸をつけて収益を出していくか、というところを考えていくのが投資のキモとなります。
賃料の調整、物件の借りられやすさに繋がる事項
  • 周辺の物件数
  • 間取りのタイプ、大きさ
  • 設備
駅距離と築年数が人間で言う骨格で例えるのであれば、この3つは筋肉といったところでしょうか。
駅距離と築年数はどう頑張っても変えようがなく、賃料の指標としても大枠を形成するのに対し、他の3つは賃料自体は大きく変えられないものの、周囲の状況やリノベーションによって賃貸戦略を組み立てることができます。

適正な賃料設定ができているのに賃貸が全然つかない、といった事態の原因は大体この3つです。
需要のある物件であるかをきちんと分析しておくことが重要ということです。

周辺の物件数

建物が乱立すると、周辺の賃料相場を落としてしまうなんてことも。

周辺に類似物件が多くなってくると、競争原理が働き、家賃が安いものから入っていきがちです。
物件を買う際に見落とされがちですが、妥当な賃料設定でも周辺に似たような物件が飽和していて、家賃を安くしても中々賃貸がつかないなんてこともよくあります。

デザイナーズマンションや防音マンションなど、周辺の物件と差別化できる要素があればそういった競争に参加せずに済むのですが、中々そういった物件を狙ってというのも難しいですよね。

間取りのタイプ、大きさ

上の項で、類似物件が飽和していないことをきちんと確認しておきましょうとお話しましたが、物件を分けるうえで指標にしたいのが、間取りのタイプ大きさです。

ワンルームタイプの部屋が飽和しているエリアでも、ディンクス(二人暮らし向け)タイプの部屋は供給が足りておらず、高い家賃でもすぐに人が入る、ということがあったりします。
なので、一見賃貸需要が飽和していそうなエリアでも、物件の選別をしっかりできていれば競争から抜け出して賃貸をつけられるので、そういった調査もしておくことが大事なのです。

設備

狭い間取りや、築古物件の場合は特に注意していただきたいのですが、3点ユニットの部屋は不人気で、それ相応の安い家賃でないと、なかなか賃貸はつきません。
独立洗面台に有り無しや、キッチンの位置などによっても、物件の弾かれやすさが変わってくるので、注意が必要です。
こんな感じで、賃料の核になる事項、借りられるための条件を紹介しました。
これらを前提として、今度は賃料相場の調べ方を見ていきましょう。

賃貸サイトは類似物件を毎日チェックして分析する

まずは賃貸サイトに載っている物件の賃料から、相場がどれくらいになりそうか分析します。
ネットに載っている物件のポイントとして、掲載されている物件の家賃が必ずしも相場賃料ではない、ということです。

物件によっては高すぎたり安すぎたりしていることもよくあります。
特に高すぎる物件は長期間ネットに掲載されっぱなしになるので、それを鵜呑みにして家賃設定してしまって、あとで後悔するパターンが一番悲惨です。
じゃあどうやって調べるかというと、ベンチマークです。
調べたい条件の物件が出てきたら、毎日、掲載が消えるまで確認しましょう。
チェックポイント
  1. どのくらいの期間掲載していたか
  2. 最初に出していた賃料から値下げしているか
  3. 敷金礼金はいくらで設定されていたか
  4. フリーレントは付加されていたか
ここら辺をチェックしておけば、物件の賃料がどれくらいなら賃貸がつくか見えてきます。
特にフリーレント(賃料の無料期間)が付加されていた場合は、賃料設定が高すぎることの証明です。

ちなみになぜフリーレントを付加してまで高い賃料で貸そうとするかというと、物件売却時の利回りを良く見せることができるからです。
そうしたほうが利益がでるので、費用を払ってまで入居させようとしているのです。

このぱっと見の利回りに騙されて物件を買ってしまい、退去者が出た後に利回りがガクッと下がって初めて罠にかかったことを知る人が非常に多いです。
こういったことが起こらないように賃料相場を把握しておきましょう、ということなのです。

また、一つ注意点として、賃貸がつきやすい時期とそうでない時期がある、というのは頭に入れておきたいところです。

1~3月は入学、卒業や就職で、9~10月は人事異動による転勤などで賃貸が活発です。
逆にそれ以外の時期は移動が起こるイベントが少なく、部屋探しをしている人もあまり多くありません。

物件の購入時期も考えないと、長い間賃貸で悩むことになるので、タイミングを見計らいましょう。


なんだか大変そうに聞こえますが、ブックマークをしておいて、毎日5分間だけ時間を確保すればいい、と考えれば出来そうに思えませんでしょうか?

賃貸会社で賃料相場と地域性をヒアリングする

なんとなく賃料相場の大枠が見えてきたら、今度は賃貸会社へヒアリングしに行きましょう。

餅は餅屋、といいますように、やはり賃貸のプロに聞くのが一番です。
特に長年やっているところは、エリアの特徴を熟知しています。

ヒアリングの際、飛び込みで色々な賃貸会社に回っていくのもいいですが、きちんとアポイントを取っていくのが一番でしょう。
飛び込みだとあしらわれてしまうこともあり、メンタル的にもきつく途中で心が折れてしまうのであまりお勧めできません。

相手も自分の仕事があるので、忙しいところにずけずけと入ってこられても困ってしまうわけです。
きちんと事前に許可をとっておけば、気持ちよく相談に乗ってくれます。

気を付けたい点として、賃貸会社によって意見が違うことがあります。歴が長い人、浅い人。適当に答える人がいることも事実です。
なので、聞き込み先は一つだけでなく、複数社に聞き込み、話の内容から信ぴょう性の高い数字を詰めていくことが大事です。

相場と一緒に聞くべき事項

また、借りられやすい条件の項でも触れましたが、賃料相場がわかって正しい賃料設定していても、賃貸がつかない場合があります。
ニーズがなければ適正金額でも入ってくれません。

賃貸会社でヒアリングする際は下記の二つは是非訊いておきたいところです。

確認事項
  • 供給が足りていない間取り
  • 地域性
賃料に関わる次項でも解説しましたが、間取りのタイプ、大きさによって借り手のタイプも変わります。
ワンルーム、ディンクス、ファミリー。それぞれ借りたい間取りの大きさは違いますよね。
例えばファミリーの中でも駐車場付きの物件のニーズはあるのに物件が全くない、といった情報は、現場で相談を受けないとなかなか得られず、ネットではまず知り得ません。

ニーズがあるのに供給が足りていない物件は、相場賃料より高くても借りてくれる可能性が非常に高いです。
賃貸会社的にも、ドンピシャの物件があればほぼ紹介してくれるので、物件の認知率は確実に上がります。

反対に検討している物件の間取りが飽和気味な場合、賃料を安くしたり、リノベーションで間取りを変えた際に収支がどうなるか、戦略を練りなおす必要がでてきます。

また、地域性で考えていくと、学生の街にディンクスタイプやファミリータイプの物件があっても需要は低い、というのはなんとなくイメージつきますよね。
物件のタイプも、マンションじゃなくて、長屋やアパートで十分、下手に賃料上げても学生は住んでくれない。
という発想が頭に浮かんでくると思います。

他にも、工業団地や商業施設があって、そちらで働く方々に賃貸ニーズがある場合も、学生街とは違った地域性、住む人々のタイプになりますよね。

こういったのを自分で決めつけず、きちんと確認すると、意外な賃貸ニーズも見えてくることがあります。
研究所長

賃料相場という数字にとらわれず、借りられる物件の特徴まで分析できると、賃貸付けで困ることは少なくなると思います。

賃貸サイト、賃貸会社、どちらの情報が正しいか、というのではなく、両方の情報をよくかみ砕いて、地域の賃料相場の根拠を自分で説明できるくらいまで調べることが大事です。
しっかり調べて、投資エリアの賃料相場を完璧にしましょう!

不動産投資で失敗しないために賃料相場を調べなければいけない

なぜ賃料相場を知らないと不動産投資で失敗してしまうのか。
結論から言うと、想定賃料がデタラメな収益物件が世にはごまんとあるからです。

利回り10%と、一見魅力的に見える収益物件でも、蓋を開けてみたら全然賃貸がつかなくて、収益が入るどころか毎月赤字、なんてことがざらにあります。
そういった物件は賃料が高すぎる、地域のニーズが外れているなど、まさに今回解説した事項が必ずと言っていいほど当てはまります。

そして不動産投資初心者の方であるほど、そういった不動産投資の罠に気づけません。
高収益という言葉に踊らされ、落とし穴に気づかずに自分から落ちに行ってしまうのです。
事前にきちんと賃料相場を調べていれば、賃料設定を見た瞬間に「この利回りは実現しない」ということを察知できます。

不動産投資は非常にお金が掛かります。収益性を読み間違えると借金地獄になって最悪破産になりかねません。
そういった事態に陥らないためにも、入り口の調査である、賃料相場はきちんと調べておきましょう。

賃料相場の調べ方まとめ

  1. 賃料に大きく関わる事項を把握しておく
  2. 賃貸サイトは競合物件を毎日チェックして分析する
  3. 賃料相場だけではなく、地域の事情もヒアリングする
これができれば、不動産投資初心者から抜け出すことができます。
賃料相場に熟知して、不動産投資を成功させましょう。
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