相続した不動産が田舎に位置する場合、買い手がつかないからと処分を諦めていませんか? 仮に売却できても二束三文だし、固定資産税も大した額にならないから放置しがちですよね。 けれど、放置をしておくと、いつの間にか問題の火種になってしまうのが、空き家です。 今回は実際に放置していた空き家を、トラブルをきっかけに売却した方の実体験をご紹介いたします。 売却を躊躇している方の背中を一押ししてくれる実体験になっていますので、是非お読みください!
目次
田舎でも空き家に不法侵入。放置していると思わぬトラブルに巻き込まれる
維持費が安いこともあり、もともと処分する気はそこまでなかった

私が売却した空き家は、京都の南部地方にある物件で、築年数は売却当時63年でした。
山のすぐそばで、住人数もほとんどいないため、よくある閉鎖的な雰囲気のあるような土地柄だと思います。
ただ、みんなそこそこ常識的で、都会の人達と比べてびっくりするほど妙なしきたりがあったり、こだわりがあったりという感じでもないと思います。とにかく何をするにしても不便で、住み続けるには難しい土地です。
正直、田舎の空き家を放置する事について自分自身はそこまで困った点はなかったと思います。
もちろんただ持ってるだけなのに固定資産税がかかるのは勿体ないという気持ちはありましたが、それでも土地価格からさほど大きな税額でもなく、いつも「あの家どうすればいいかな」と頭の片隅にありながらも放っておいた形でした。
処分を決意したきっかけは不法侵入によるトラブル

売却しようと思ったきっかけは、キャンプで地元を訪れていた学生グループが、空き家になっていたうちの家に侵入し、結果的に怪我をしてしまったらしいという事を近所の人から聞いたことです。 特に荒れている家ではなかったのですが、階段で転んだ子がいたようで、隣近所に応急手当をしてもらったということです。 学生グループはそのまま帰っていったそうですが、それを聞いた時、もし誰かがまた屋内へ入って怪我をされたら本当に困るな、と思って売却を真剣に考えるようになりました。 一応一年に何度かは行くようにはしていましたが、管理が行き届いていないという自覚はあったので……。 ちょっとした怪我ならまだしも、重大な後遺症が残るような事になったら怖いし、申し訳ないと慌てて腰を上げた形です。
田舎は価値がつかないので処分が大変。頼れるパートナーを見つけることが重要
売却のイメージが浮かばない

いざ売却しようとしても、正直どこに相談したらよいのかさっぱり分かりませんでした。
とりあえず当たってみた不動産屋さんからは、空き家に買い手がつくのは土地単価が高い場所か、リフォームせずに住めそうな家だけだというような事も言われ、仮にその不動産屋さんで紹介してもらうにも、毎月支払うことになる広告代金や媒介手数料のほうが固定資産税よりも高くなるような状態でした。
実際、地元は本当に田舎なので、好き好んで移住を決める人がいるというのも想像できず(元々住んでいた人が引っ越していくような場所ですし)、考えるほどにストレスが溜まりました。
あとは家を壊して更地にするか、というような話でしたが、更地にしたところで山のすぐそばの土地などどうにもならない気がして、これは不動産屋さんに頑張ってもらっても売れないだろうな、と思うとやる気も急速に萎んでいき、結果的に一時期ストップとなりました。
空き家バンクも検討したが、メリットがあまりなく情報の拡散が不安でしなかった
私の市は空き家の再利用に際して、借りる側に対しては改修補助金等が用意されていたようですが、貸主側や処分する側には特にそういった恩恵はなかったと思います。 とりあえず、空き家のデータベースに登録してください、というような感じでした。 ネットで検索できるような空き家バンク等の登録も考えたのですが、いろんな場所へ写真つきで情報を提供するのはそれはそれで怖い気持ちもあり、忙しさも加わって消極的になってしまいました。
信頼できる相談先を見つけることが処分を検討する上で一番重要

結局私の場合、とにかくいろんな人に片っ端から売りたい売りたいと言い続けていたら、知人から仲介業者を紹介してもらい、結果的に売却はできました(売値についてはそんなもんかな??と当時は疑問もあったのですが、後から適正範囲内だったと知りました)。 売却時にかかる諸々の諸費用は自分で調べたり、仲介業者さんに聞いていた通りだったので、スムーズに終わったと思います。
業者の人はとにかく親切な雰囲気が漂っていて、単純ですが喋り方や人柄で信頼してお任せできました。
仕事の傍らでやらなければならない作業だっため、全部お任せしてしまいたい気持ちが大きい反面、一応親の持ち物だったのでどうでもよくはない、という気持ちで頭の中がごちゃごちゃしていましたが、丁寧に対応してもらえたこともあり、満足しています。
色んな業者さんを探したりする労力も馬鹿になりませんし、色んな話をきいてもド素人すぎてよく分からない、むしろ迷うだけというのが実際のところなので、もし次に空き家を売らないと!という事になったら、同じように信頼できる業者の方にお任せしたいと思います。
田舎の空き家の処分は時間が掛かるため、周囲に頼りながら売却を進めるのが吉

とにかく空き家を持ってる人は売却に手をつけてから非常にストレスがかかると思います。
門外漢だと手始めに何をどこに話せばいいのかも分からず、あちこち巡っては疲れるだけ、空き家になった経緯や家の内部事情等も話さないといけないので心理的に抵抗感もあります。
都会ならともかく田舎だと、簡単に売れるようなものでもないし、時間もかかるし、もう売るのをやめようかな、とごちゃごちゃ気分の変化もあるのですが、うまくいく時はとんとん拍子に進んだりもするので、本当に処分したいのであれば焦らずに時間をかけること、開き直って色んな人に声をかけることが結果的に近道かと思います。
もちろん抵抗がないのであれば市が用意してる制度で空き家登録したり、空き家バンクを活用されるのはとても良い手だと思います。
人口減少もあり、これから空き家は増える一方です。
そのまま放置しておくと、元々売れにくいのが更に売れなくなり、困った負債として永遠に残り続けることになります。
多少面倒でも、少しずつ処分の準備をしていきましょう。
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