新築、築浅物件と比較して、管理の難易度が高いと思われがちなボロアパート、経費削減のために自主管理したいと思っても自分で管理できるか不安ですよね。 実際、募集の問題、修繕の問題、住民とのトラブル等、管理はそれなりに大変です。 今回はそんなボロアパートの自主管理を行っているオーナーさんにお話しを伺ってきました。 読めば自主管理をする勇気が出てくるような内容を聞くことができたので、是非ご覧ください!
目次
相続でボロアパートをもらい受け、資産を守るために自主管理を選択

築40年以上のボロアパ-トを所有しています。親の代からの物件で、相続する形で持ち続けています。 部屋数は10戸で共同トイレで風呂は有りません。 近くには総合大学とか美術大学がありいわゆる大学街の端っこに物件があります。大阪府阪急沿線で石橋、蛍池の周辺地区になります。近くには学生用のワンル-ムマンションがいくつか立っています。
ボロアパートをもらい受けたのは10年前ですが、その時から、建物自体は不動産的にはほとんど値段がつかず、土地の価格だけで相続上の申請も通りました。建物をすべて取り壊しい土地を売却することも考えました。 けれども、代々引き継いできた大切な土地を守ってほしいという親の意向を汲んで、土地を売ることは断念しました。

ただ新しい建物を建てるには、最初に費用が掛かりますし、手元に資金はなく、その代わりに借金して高級賃貸住宅を運用するリスクを冒す勇気もなく、そのままの状態で古いアパ-トを管理していくことにしました。
けれども、ボロアパートのような、安さが生命線のような資産運用物件の場合、入居費を上げることは出来ません。
そのため、収入を増やす工夫をするよりも、出ていくお金を減らすことが必須になります。
その為に、管理、簡単な修理はオ-ナ-自らが行うことが必要になるので、当然のことながら自主管理しています。
自主管理はボロアパートの資産運用戦略の大事な項目
建て替えも検討したが、採算が合わないと感じボロアパート運営に注力

築40年を超えるような古いアパ-トを運営していると、マンションメ-カ-とかハウスメ-カ-から、土地を有効活用する様々な提案があります。
それはどれも素晴らしい、夢のあるものですが、冷静になって見てみると、「借金して新しい建物立てましょう。土地は担保です。」というものです。
もし入居者がいなくなって、賃料が入ってこない場合、オ-ナ-の私は赤が出ますし、マンションメ-カ-とかハウスメ-カ-からすると、土地を取り上げて無罪放免という恐ろしいものでした。
そういうことが、当たり前のように行われるのが、アパ-トでの不動産投資なので、ある時からその手の話を全てシャットダウンして、ボロアパートを守り続けることにしました。
賃料収入の少ないボロアパート、費用削減のために自主管理をすることに

親の遺言をきちんと守って、「代々の土地を手放してはイケナイ」の言葉の通りボロアパ-トを頑なに持ち続けていますが、その為に、費用を抑えることが必須になります。 外注して地元の不動産屋とか、大手デベロッパーの子会社の管理会社に管理を依頼することを検討しましたが、それだと管理費用などが差し引かれたたりして賃料があまり取れません。 管理費用が毎月出ていくと、資産運用的には意味がなく、迷うことなく自主管理という形をとっています。
自分で出来る事と、外注しなければいけない事をきちんと見分けることも大事

自主管理することで、費用は掛かりませんし、入居者の細かい情報が入りますし、簡単な修理は自分でできるようになりました。 ただ、当たり前のことですが、いい事ばかりではなく、大変なことも多くあります。 物理的なトラブルの対応で、自分でできる範囲のものは問題ないですが、そうでないものは対応が出来ません。 電気関係は資格がないと対応できませんし、露出している流体の配管は対応できますが、隠蔽部のものには手が出せません。 そのような内装の手直しを外注する場合でも、懇意にしている業者がないので、高い費用が掛かります。 自主管理をすれば、全ての費用が浮くわけではありません。 自分でできる事と、修繕のように業者に委託しないとできない事を仕分けして、費用の積み立てを行っていくことも大事な管理業務の一つです。
自主管理で大変なのはやっぱりトラブル対応。普段の人付き合いが大事
元々、親の代から賃料の回収は、親がしていたみたいです。私はたまに、親の代わりに催促状を郵便ポストに放り込むことをしていました。 それがどういう意味を持つものなのかはあまりわかってしいませんでしたが、黙々と言われたことをしていました。 アパ-トが新しい間は、賃料もそこそこ取れるし不具合等の発生することもないので自主管理でも問題ありませんでした。 現在は物件が古くなっているので、賃料も安く、それなりの人が入っています。
急なトラブル対応も自分で対処しなければいけないのが大変

入居者が学生さんが多いので静かな入居者ばかりではなく、騒々しい入居者もいます。 学生同士ということもあり、隣人との揉め事になることはほとんどありません。 が、たまに血相を変えて「大家さん、何とかしてください。毎晩毎晩朝まで騒いでいてたまりません」と走り込んでくる学生さんがいます。 そんな場合、自主管理でなく外注していると、第三者に火消しに走ってもらえるのですが、自主管理の場合、自分で行くしかありません。この時は上手くいく場合がありますが、そうでない時もあるので、大家としての切り出し方にいつも苦労させられます。
家賃未納トラブルも、直接コミュニケーションで円滑に解決

ただ、多くは近くの大学の学生で気の良い若者が多いです。賃料未納が多くあるので、その都度催促状を持っていくことが月に5.6回あります。不思議と不在ではなく、その手の入居者は家にいるので、手渡しできることが多いです。
当然、話もするし、自然と仲良くなることも多いです。卒業してから、わざわざ遠方から訪ねて来てくれる学生さんが多く、ほっこりすることが年に数回あります。それと小さなトラブル、水漏れとかエアコン不良とかは外注すると費用がかさむし、自分で直せるようになりました。
大変なことも多い自主管理ですが、人との繋がりを感じられたり、ちょっとした日曜大工的なスキルも身に付けられたりと、取り組み方次第では何だかんだ楽しいものなのではないかと思います。
コメント