空室対策、アパート経営をする上で最重要項目の一つです。 どんなに利回りが高い物件でも、賃貸が付かなかったら収入はゼロです。 今回は地方のボロアパートを経営している方へ、どのような空室対策をしているか事例を聞いてみました。
目次
地方ボロアパートでも空室対策でする事は同じ。地域特性には気を付けて
福岡県福岡市東区にて築古のボロアパート経営をしています。 東区は田舎の分類ですが、博多.天神に電車ですぐに行ける距離でファミリー層も多いエリアです。 今は都市開発も進み近年1番発展してきているエリアですが、少し駅から離れると車が必須になります。
地方の物件を運営する際は、地域の特性に配慮しましょう

福岡市東区は都市部から離れた田舎のエリアなのでまず車を持っていない方からすると、駅から近い場所でないと東区に住む意味がない場所になってしまいます。
私の物件は駅近なため、駐車場がない物件ですが、駅から遠くなるにつれて駐車場がないと全く賃貸が付かなくなってしまいます。
これは車社会の地方では特に顕著で、地域によっては駅近でも駐車場がないと厳しいこともあります。
特に東京のような電車が中心の生活をしている人が、地方の物件を選ぶときに勘違いして失敗する例が多いので、注意が必要です。
空室対策の第一歩は、住みやすい環境づくり

空室対策の第一歩としては、不動産の友達がいるので情報をそこから仕入れたり、物件のサイトを見て賃料相場、そしてどういった部屋のニーズがあるか情報収集をしていました。
駅近なので、駅から離れている物件よりも若干家賃が上がるため、満足していただけるようにアパートの設備に力を入れています。
駅近の物件は競争力が高い分、賃料以外の部分で勝負がつきます。
駅に近いと部屋は空室が出たら割とすぐに埋まりますが、手入れされていない部屋はやはり借り手がつくスピードは遅く、少ない需要での争いになった場合、空室になってしまったと思います。
そういうこともあって、リノベーションをして今風にしてみたり、線路が近く電車の音がうるさいので防音に力を入れたりしています。
防音対策は軽く見られがちですが、結構重要です。
内見時に電車の音が聞こえた瞬間、これはダメだ、となったお客様の顔が今でも忘れられません。
初期費用や修繕費は惜しまずしっかり設備を整えることが大事です。
正直、最初は赤字でしたがしっかりと設備を揃えたことでボロアパートから脱却し、人気も出てきました。
ケチって古い設備のままで貸そうとすると、空室期間が長引き、結果リフォーム費用以上の機会損失が発生してしまっていたと思います。
入居時の障害を取り除くことで入居率アップを図る

他にも、数ある物件の中から選んでもらうため、入居者にお得感が出るような工夫もしています。
例えば、まず入居時はフリーレントにしています。
敷金礼金は駅近の中でも、安めの物件を探している人たちにとって、大きな障害となります。
せっかく賃料的には問題なくても、初期費用が掛かりすぎて断念してしまう人も多いわけです。
そういった人たちを取りこぼさないよう、欲をかかずに堅実に収益を上げていくのがベターです。
また2年ごとの更新、費用は最初は2万ですが、3年以上住まれている方は更新費用を無しにしています。
こうすることで、更新の時期だから部屋を変えよう、というのを防ぐことができます。
退去される頻度が上がると、再募集にかかる費用も膨らみます。
空室の期間は丸々家賃収入もなくなってしまうので、退去の引き止め対策も実は入居対策以上に重要なのです。
入居者との信頼関係を築くことが、空室対策に繋がる

これは引き止め対策と言えるかわかりませんが、私の実家が農家なので農家で採れた作物を無料で置いています。 週1でアパート前に「ご自由にお取りください」と添えて野菜を並べています。意外と好評ですぐになくなってしまいます。 個人的な感覚ですが、人との繋がりがある、安心感のある場所というのは、留まりやすいです。 たまたまそこに住んでいるだけ、となると、ひょんなことですぐに出て行ってしまいます。 けれども、場所を気に入っていただければ、転勤などどうしても引っ越さなければいけない理由がない限り、住み続けてくれることが多いです。 特に地方では、都心よりもこういった近所付き合い的なものは受け入れられやすいです。 居住者の私生活に入り過ぎるのは逆に悪影響ですが、このようなちょっとした心遣いは好意的に受け取ってもらえます。 遠方で頻繁に訪れられない場合でも、近くに寄った際は何か手土産でも置いておけるといいと思います。

信頼構築でいうと、最近はコロナの影響で収入が減り家賃を払うのが厳しい入居者に対しての対応を柔軟にしています。 厳しい方は連絡してくださいとポストに入れて、連絡があったら入居者の勤務状況・今後の見通し・予定・貯金など色々話を聞いて入居者に合わせて家賃を変動させました。 何ヶ月間だけは家賃6万のところを2万で貸している入居者もいます。 このご時世助け合いしないといけないので、助けられる場面では人に合わせて値引きは行っています。
無駄を排除して、数字だけを追い求めるアパート経営ももちろん間違いではないですが、こういった真心が、回りまわって良好な経営ができるのではないかと自分は考えています。 家賃値引きは真似しづらいかもしれませんが、入居者への思いやりある対応は、経営の大切な要素の一つだと思います。
地方ボロアパートでもリフォームは必須。清潔感が大事
ボロアパートだからこそ清潔感を大事に

ボロアパートのような築古物件で特に重要なのが、清潔感です。
築古というだけで、実際の雰囲気よりも悪い印象を与えがちです。
新築みたいな綺麗さは必要なくても、不衛生な感じをさせないだけの修繕は必要です。
水回りを重点的にリフォームしましょう

特にリフォームをしたほうがいい箇所は水回りです。 築年数は古くても水回りが綺麗だと、清潔感が段違いです。 そのため、内見時の反応がリフォーム前と段違いで、築年数がネックだった方も部屋を見て即決してくれたりもしました。 独立洗面台を今風の綺麗なものに変えたりするだけで効果はあります。 一気に全部屋変えるのは金銭的に厳しかったので、1階の部屋から1年かけて行いました。
お風呂の脱衣所の床には大理石風のクロスを貼って清潔に仕上げています。
またお風呂の蛇口もお湯、水をそれぞれ回して調整する物ではなく、レバーで簡単に操作できるタイプの物と交換をしました。
シャワーヘッドも昔のものは水圧が弱かったりしていたので節水できるようなオンオフ機能が付いているシャワーヘッドにも変えました。
水回りのリフォーム前は空室だった物件が、リフォーム直後すぐに入居の申し込みがあったので、効果をひしひしと実感しております。
誤った口コミが原因で空室が埋まらなくなることも

また今アパートを経営中の方も、これから経営を始める方にも知っていた方がいい事があります。 過去に本当にあった嫌な話になりますが、私の経営している物件の入居者ですが、一人暮らしの入居者で部屋で体調不良になり救急車が来て、その後何日かしたらお部屋の退去された事がありました。
退去の理由は「体調が悪く長期入院をしないといけなくなったので、家族の判断で退去になった」ですが、アパート内の他の住人が救急車が来ていた場面も見ていたので勝手に勘違いをしてしまいます。 「入居者が部屋で亡くなったから(自殺)退去になった」と思い込み「大島てる」という事故物件がわかるサイトに書き込みをしていました。
嘘の書き込みでも、そのサイトを見た方は信じてしまいます。
たまたま「大島てる」のサイトを見ていて見つけたので投稿の削除をお願いして消してもらってので良かったですが、もし見ていなかったと思うと風評被害で入居者が減っていたと思います。
どんなに設備を良くしても、家賃などを下げてもそういった悪い口コミはすぐに広まってしまいます。
ネットは誰でもすぐに嘘でも書かれてしまうので、定期的に「大島てる」をはじめとする物件の口コミサイトを見ておくことをお勧めします。
もちろん本当のことはそのまま口コミとして残しますが、嘘の内容はちゃんと削除してもらわないと後々大変な目に遭いますので注意が必要です。
特に地方の田舎では、悪い噂はすぐに広がります。
できるだけそういったことが起こらないよう、細心の注意を払いましょう。
地方ボロアパートの空室対策まとめ
地方でも、都心でも、基本的に築古のボロアパートでの空室対策のポイントは変わりません。
空室対策のポイント
- ニーズを合わせた部屋作り
- 古さを感じさせない清潔感を保つ
自分が住んでいない地方の物件を運営する際のポイントは、住んでいる地域の特性をよく知ることです。 今回の事例で言えば、車がマストな地域で駐車場の無い物件はNG、といったところです。
空室対策について、より具体的な方法が知りたい方はこちらで詳しく解説していますので是非ご覧ください。
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