ボロアパート投資の醍醐味は、廃墟と化したようなボロボロのアパートを再生して、高利回りで収益を上げることです。 ただ、ボロアパートの再生ってなんぞや、という方もいらっしゃると思います。 今回は築30年のアパートを再生して運営されている方の成功事例を紹介させていただきます。 ボロアパートに限らず、アパート投資成功のヒントになる考え方を学ぶことができるようなお話を伺えたので、是非最後までお読みください。
目次
ボロアパートの再生はこんな感じ!利益を確保しつつ、入居者の事を考えた成功事例
埼玉県狭山市で駅から徒歩10分のところにある、築30年ほどのアパートを所有しています。 地域の特徴として、地元に展開する企業就労者を受け皿として、昭和50年代の住宅開発がありました。 一方、2015年ごろに企業撤退が発表された後に、郊外型住宅の開発が進んでいます。 新耐震で建てられており、特に周辺で再開発があるなどの環境に大きな変化はないため、建て替えの予定はありません。
ボロアパート再生の基本は、適切な箇所に適切なリフォームを施すこと

これまでに、外壁、屋根の塗装、外構の舗装の再整備、空き部屋のリフォームを実施しています。
外壁、屋根の塗装は、経年劣化のためにやむを得ぬ出費と思います。
外壁周りの再塗装に当たり、破損していた雨樋の修復なども実施しました。
外構に関しては、当初はアスファルト舗装だったのですが、経年により水溜りができるようになったので、水勾配を補修しインターロッキングに補修しました。
随所に段差があったため、外構全体の高さを調整して、段差がなくなるような工事にしました。
また一部の住戸では、1階入居者に対する歩道からの視線への配慮から、デザイン性のある塀を追加しました。
見た目がいかにも廃墟のような建物は、周辺の治安を悪化させ、入居者の質も落とします。
新築同様に仕上げる必要は全くありませんが、最低限の綺麗さは防犯上の面からも重要です。
過剰なリフォームは避けながら、居住者に配慮したアパート再生を心がけよう

もちろん、過剰なリフォームは無駄なコストを生むだけなのも事実です。 そもそもがボロアパートなのですから最新のマンションの設備、品質に対抗しようとは思ってはいけません。 ただ、利回りを追求して、するべきリフォームをしないのは、居住者の生活を脅かします。 短期での退出に繋がり、結局利回りを下げる原因となるので節約はしても出し渋りは止めましょう。 自分の物件に入居してくるであろう属性の人たちが、物件に何を求めるかをよく考え、絶対に必要なリフォーム、いらないリフォームを取捨選択することが重要です。 入居の意思決定に障害が出るような問題や、生活に支障が出る箇所は取り除いておくのが絶対に良いです。 ともかく、想定される入居者が不安にならない、どういった所に目が行くか想像しながら適切なリフォームがボロアパート再生の第一歩になります。
ボロアパートは時代遅れの部屋が多い。内装リフォームの成功事例
当初、賃貸は1Kと2Kの2種類がありました。 1Kの寝室と2DKの寝室は和室になっています。 新築当時はこの構成でも、住人が和室にカーペットを敷くなどの対応で住んでいたのですが、最近では和室の必要性は低くなり、他物件でも洋室が多いことから、住人がカーペットを買う習慣も減っています。 このようなことから、和室についてはリフォームの際に洋室化しています。

1Kの部屋は和室の洋室化とともに、ワンルーム的な空間構成に修正し、それに伴い、キッチンを移動しています。 また、ユニットバス内にトイレが付属していたため、トイレは別とする工事も行っています。 2Kについては、和室を洋室化するとともに、部屋の構成も1LDK化をしております。 ユニットバスはデザインアクセントがついたものに、インターホンはカメラ付きに改装するようにしています。

リフォームによって、エアコンの位置の調整が必要となる場合があり、その際には別の壁に取り付け、必要な場合には室外機との接続のために、外壁に新たに穴を開けたりしています。 ガス台は古くは住人が個別に購入していましたが、IHを希望されると、準備しておく必要があります。

基本的には長く住んでもらう(空き部屋期間を短くする)のが良いと考えているので、良い環境を提供するように考えています。 かつての契約慣行からの変化、新たな生活スタイルへの変化などに対応していくことが重要とも考えています。
入居者様にも好評をいただいており、幸いにも短期で引っ越される方も殆ど出ていないので、成功事例と言えるのではないでしょうか。
建物の再生ができたら次は賃料の再生。不動産会社は賃料を上げたがらない

更新工事を実施しても、不動産会社は賃料値上げに対して、難色を示します。 特にチラシに表示され判定指標となる面積、築年数、装備に変化がない場合は不動産会社から渋られます。 仲介不動産会社の担当者は賃料設定が低い方の成約率が上がるため、築年数が長い物件は相応に下げたがります。
不動産会社の言い分としては、成約時の合意賃料が重要で、基本的に賃料を維持する考えはありません。
賃料が下がった時期に入居した住人は、同じ仕様でも安い賃料で住むことができ、不公平と感じています。
不動産会社の理屈に沿うと、同じ仕様の住戸でも年数に応じて安くすべきなので、後から契約した人の方が安く住むことになります。
成約事例などを根拠に賃料値上げを交渉を粘り強くすることが大事
前述の通り、不動産会社は色々と理屈を並べて賃料改定を拒もうとしてきます。 話を聞いていると、賃料を上げると空室期間が長引いて機会損失が出てしまうのではない方、自分が間違っているのではないか、と不安になることもありました。 ただ、そこでひるまず、エビデンスを集めて交渉することが本当に大切です。
オーナーサイドとしては、賃料のアップは、住人の質の向上にも寄与しますので、極力あげていきたいところです。 一方で、最近ではインターネットでの成約が主流となっており、条件さえ合えば、オーナーの希望価格で成約する事例もありました。 ネット検索サイトは不動産会社は個々の物件や内部、或いは総合的な住環境に対する査定能力がない場合でも、オーナーとユーザーの合意形成に達するツールであると思いました。 こういった成約事例なども出し、交渉を粘り強くしたところで、リフォームが完了した空室の賃料を上げることに成功しました。 なかなか骨の折れる交渉でしたが、ここで賃料を上げられないと、わざわざボロアパートを購入した意味がなくなってしまうので、何とか勝ち取った形です。 幸い賃料を上げた部屋はきちんと埋まったのでホッとしています。 このように適切なリフォームと、賃料の回復を行うことが、ボロアパート再生への第一歩だと私は思います。
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