ボロアパートをリフォームする際のコツは?ニーズを捉えて費用を賢く抑えよう

築古アパートのリフォームのコツ
不動産投資において、リフォームというのはクリーニングも含めると入退去時には必ず必要となる必須項目の1つとなります。
更に物件価値を向上させるリフォームを含めるとそのバリエーションは多岐に渡ります。

特にボロ物件と言われるような、古い建物の賃貸は、きちんとリフォームをしないと、全然入居者が現れず、大変な思いをすることになります。

今回は、ボロアパート投資の中でも重要な項目であるリフォームのコツについて、詳しく話していきたいと思います!


目次

ボロアパートをリフォームすることの重要性

ボロアパートを所有している場合、そもそもなぜリフォームの必要性があるのでしょうか?
新築・築浅アパートとの違いを比較しながら改めて確認してみましょう。

リフォームすることの重要性を、新築アパートとの比較から考える

まず、築浅物件とボロ物件にはそれぞれ長所と短所がありますのでそれぞれの特徴を考えてみましょう。
築浅アパート
  • 設置されている設備が最新で、外装も綺麗なため、住んだ時の満足感が高い
  • 家賃は近隣の平均と比べると高い
ボロアパート
  • 家賃が近隣の平均の比べて安い
  • 設備、外装が古く、劣化や破損が目立つ。積極的に人には紹介できない
家賃を取るのか、利便性や機能性・見た目を取るのかが入居者の選択ポイントとなるのがわかりますでしょうか。
このポイントに沿って考えると、築古のボロ物件が築浅物件に対抗するためには、
  • 家賃を下げて入居者の選択肢に入るようにする
  • リフォームを行うことで物件の価値を高め、利便性の高い物件にすることで入居希望者の選択肢に入れる
大きく分けてこの二通りの選択肢があります。

家賃を下げることは、当然入居希望者にとっては利益があり、入居の可能性はぐんと上がります。

ただ、大家にとっては、家賃収入の減少はもちろん一番影響が出るのは、周辺地域全体の家賃相場の下落につながる行為であるのです。

むやみに家賃を下げることの重罪

自分の物件の家賃を下げることで、周囲の物件も対抗するために家賃を下げることになります。
そうすると周辺地域の家賃相場が下がり、更に周辺物件の家賃が追い打ちをかける様に値下げを繰り返すようになります。

この家賃デフレにより、その地域周辺の家賃相場全体が下落し、大家の家賃収入が年々減少していく状況を作り出してしまうことになります。
闇雲に家賃を下げることの恐ろしさがおわかりいただけたでしょうか。
そうならない様にするために、少なくとも闇雲に家賃を下げる選択をする前に、適切なリフォームを行うことで、物件の質や価値を向上させ効果的な入居率の上昇につなげることができるのです。

ボロアパートのリフォームで入居率を上げるコツ

ではどうやったら物件の質や価値を向上させることができるのでしょうか?

まず第一に考えていただきたいのは、自分が入居する物件を探す場合、どこを基準に探すのかというところです。

もちろん人によって選択基準はまちまちですが、その中でも最大公約数となるどんな方でもある程度当てはまるであろう選択基準を押さえることで、効果的なリフォームを行うことができます。
以下に実際に行った効果的なリフォーム例をいくつかあげてみます。

外装リフォーム

ボロアパートは築年数が経過しているため、外壁のクラックや塗装の劣化により、見た目はもちろん防水や耐久性など直接入居者の居住スペースに関わりが出てきます。

そのため、ある一定期間でのリフォームは建物の状態を維持していくためにも必要となります。

外壁塗装の色を変えるだけでも建物自体の雰囲気を大きく変化させることができるのでどんな入居者に入ってもらいたいかをイメージすることが大事です。

例えば若者向けなのか、女性向けなのかなど具体的なターゲットを絞ることも重要です。
立地条件や間取りに合ったアレンジをすることで入居率のUPにつなげることができます。

内装リフォーム

内装リフォームとは簡単に言うと壁紙や床面の張り替えとなります。
築年数が30年以上を経過しているアパートでよくあるのが、和室や畳の部屋です。

築浅物件の多くがフローリングや洋室の物件となる為、見た目の部分で壁紙や床面を張り替えることで、入居の選択幅を拡げることにつながります。
具体的には、ボロ物件の、特にファミリータイプの物件で多く見られるのが和室です。
天井は木目で壁は砂壁、床面は畳仕様になっていることが多く、現代の若者には馴染みがないです。

その為、この辺のリフォームをすることで入居率にも大きく変化が出る可能性があります。
以下のようにフローリングから少しだけ色を変えたクッションフロアに変更するだけでもかなりモダンな印象に変わります。

設備リフォーム

設備に関しては入居者の一番身近で利用するカテゴリーです。

例えば単身向けの物件であれば
  1. 無料インターネット回線
  2. オートロックキー
  3. 宅配ボックス
  4. 浴室乾燥機
  5. 独立洗面台
ファミリー向けの物件であれば、単身者向けの設備に加え
  1. 追い炊き機能付き風呂
  2. システムキッチン
  3. 防犯カメラ
など、入居希望者のニーズに合わせた設備を導入することで入居率のUPにつなげることができます。
下記のように、独立洗面台や浴槽を入れ替えるだけでも
利便性が大きく向上されます。
設備リフォームの中でも特に高額な費用を掛けずに行えるものだと、TVモニター付きインターフォンやウォシュレット付きトイレ等があります。

この辺だと価格も1万~2万円以内で購入できるものもあり、単身向け家族向けに限らず高いニーズがあるので効果的と言えます。
どれも入居者のニーズに合わせたリフォームをすることが重要です。
実際に上記の内装や設備のリフォームを行ったことで、家賃を35,000円から40,000円(約115%)にUPして入居が決まった事例もあります。

オーナーがリフォームの方向性を明確にすることで、“入居率+賃料UP”にうまくつなげていきましょう!

費用を抑えてリフォームをするコツ

リフォームの相場や基本単価を把握する

リフォーム時の費用に関して、オーナーさんがやりがちなのが、管理会社からの見積もりを鵜吞みにしてしまうことです。

もちろん長年お付き合いのある信頼できる管理会社であれば安心して任せても良いかもしれませんが、管理会社に見積もりを依頼する場合は、あらかじめそれぞれの費用の相場や基本単価を覚えておくと良いかと思います。
例えば、内装であれば1㎡当たりのクロスやクッションフロアの張り替え単価です。
床面の施工に関して、よく似た施工に
  • フローリング
  • クッションフロア
  • フロアータイル
などがありますが、一般の人にはあまり区別がつきにくく、それぞれの単価を把握していないと、上乗せされた見積もりでリフォームを受けてしまうことにつながります。

内装リフォームは入退去時に必ずと言っていいほど実施されるオーナーさんがほとんどだと思いますので適正な価格を把握することで、費用を最小限に抑えることができます。

リフォーム会社から見積もりを提示された際は、価格が適正価格なのか、逐一調べるようにする癖をつけてください。

想定入居者のニーズを予想して無駄なくリフォームする

前項の設備リフォームでは、実際に賃料UPにつながった事例をご紹介しました。
実際に毎月5,000円の賃料UPということは年間で60,000円となりますが、設備リフォームには一体いくらくらいの費用が掛かるのでしょうか。
最低限のリフォームの他、賃料を上げるレベルの設備リフォームをしようとした場合、例えばですが、下記のような設備が考えられます。
TVモニター付きインターフォン10,000~20,000円
ウォシュレット付きトイレ20,000~30,000円
エアコン70,000~100,000円
追い炊き機能50,000~80,000円
設備リフォーム費用例
合算すると、1部屋でも最低約150,000~230,000円。

これが10部屋となると約150万~250万円ほどの費用となり、
この費用を捻出しながら、更に回収するとなると気が遠くなるほどの期間を要することになります。

仮に賃料が上がったとしても、設備リフォームしなかった方が最終的な収益は良かった、という事態も十分に考えられます。

そういったことにならないよう、設備の投資も、いかに無駄なく行えるかが鍵です。


入居者の事を第一に!
例えばですが、メインターゲットとなる入居者が女性の場合、防犯上の観点からTVモニター付きインターフォンは必須です。逆にメインターゲットが男性の場合、インターフォンは簡易的なものでも問題ないかもしれません。

また、追い炊き機能もファミリー向けなら必要かもしれませんが、一人暮らし向けならいりませんよね。
このように、想定される入居者のニーズを想像しながら、必要な設備を取捨選択することが、経費を削減しつつ、入居率、賃料を上げるリフォームに繋がります。

設備の新規契約時に業者と交渉して、無料で設備のグレードを上げる方法もある

ただ、何とかして安く新しい設備を入れられないか、というのもわかります。
どんなに綺麗にしても、築古は築古。
何か差がつくような設備がないと、入居率が上がらないかも、と不安になりますよね。
そこで、少しでも費用を抑えて設備リフォームを行うためのテクニックとして、プロパンガス会社との新規契約を上手く活用する、というのがあります。

もちろんすべてのプロパンガス会社に当てはまる訳ではありませんが、既存の会社から新規の会社に乗り換える際に、契約条件として設備リフォームの一部をプロパンガス会社に負担してもらえることがあります。
私も初めて購入した物件で上記の契約を結んだ際、
  • TVモニター付きインターフォン
  • ウォシュレット付きトイレ
  • 追い炊き機能付き浴槽
の入れ替え費用を負担してもらうことに成功しました。

また、違う物件でも、
  • エアコン
  • 独立洗面台
  • オートロックキー
など物件のターゲットや設置されている設備に応じて契約する内容をアレンジすることで、リフォーム費用を賢く抑えることができます。
賢く節約して、収益を積み上げましょう。
ここで抑えた費用を使って別の内外装のリフォームも行うことができますし、今後発生するであろうリフォーム費用としてストックしておくこともできます。
もちろんこれは新規の入居希望者の選択肢を拡げるだけではなく、既存の入居者の利便性や満足度を上げる要因にもなりますので、長期入居の要因としても押さえておくポイントとして重要だと感じています。
自分の物件の設備状況を踏まえて、この辺の設備を交渉してうまく活用することで、持ち出し費用を最低限に抑えて設備価値を向上させて、入居率の向上につなげることができます。

ただしこれはあくまでも新規のプロパンガス会社に乗り換えるときの交渉手段の1つに過ぎません。

因みに私も最初の乗り換え時に、既存の契約会社との相見積もりを取ったことから思わぬトラブルに発展して、新契約を締結するまで、約半年を要したという苦い思い出もあります。
過度な要求や、既存の契約会社との天秤に掛けるなどの交渉はトラブルの元になりますので十分にご注意ください。

ボロアパートリフォームのコツまとめ

このようにリフォームと一言で言っても施工方法や価格帯など多種多様なものがあり、どれを選択するかはオーナーの判断次第となります。

入居率を上げると一言で言っても何から手を付ければよいかわからない方もいらっしゃるかと思いますが、まずは自分の物件の現状を把握して、その物件の長所と短所を理解することです。

そして、短所の部分をどのように改善していくかを考えて、管理会社やプロパンガス会社など周りの方々にも協力していただきながら、改善策を立てていくのが良いのではないでしょうか。

物件環境や相場を把握しながら、少しでも安価でより効果的なリフォームを行い、賃料のUPや入居率のUPにつなげていただけたらと思います。
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