日本の戸建ては約5割が木造住宅です。そのためシロアリ対策は家を守るために非常に大事な項目です。 気づいた時には大量発生しているのがシロアリの特徴ですが、大事な資産を守るためにはどのような対策があるのでしょうか。 当記事ではシロアリ対策について解説します。
目次
戸建てでシロアリ対策が必要な理由

家を守るためにはシロアリ対策が必要です。 新築戸建てを購入した場合は10年間の防蟻処理が施されおり殆ど対策は必要ありません。そのためシロアリ対策自体を忘れてしまう人もいますが、いつの間にか被害が拡大していることもあります。 シロアリ被害にあった場合、どのようなトラブルが起きるのでしょうか。
倒壊リスクが高まり、資産価値が下がる
シロアリは木部を食べるため重要な柱の強度が低下します。また、鉄骨造住宅であっても木部の使用箇所があるため無関係ではありません。
一般的に築20年以内の戸建てであれば資産価値は残存しており、売却を検討する場合は中古戸建てとして販売可能です。
しかしシロアリ被害のある家は倒壊リスクが高いため土地として販売するしかなく、売却価格が低くなります。
また、地震で倒壊した場合に地震保険の適用が受けられないというリスクもあります。
雨漏りのリスクが高まる
天井の木部が浸食された場合、雨漏りに繋がる可能性があります。 雨は少しでもスキマができると家屋内に流入し、壁をつたい最後は部屋の天井や壁にシミとして表れます。 雨漏りの原因がシミの真上や真横にあるわけではないため場所の特定が困難になります。 シロアリ被害を受けることで家の様々な場所が雨漏りのリスクにさらされることになります。
家屋内の環境が悪化する
シロアリが発生すると捕食する生物も発生します。クモやカエル、鳥類です。
生物が増加することで湿度が上昇しシロアリにとってさらに繁殖しやすい環境になり、家屋内や庭に虫が発生するようになります。
シロアリ被害がある戸建ての特徴

シロアリ被害は発覚した場合は既にかなりの被害が出ていることが多いです。次に挙げる方法でシロアリ被害が発覚した場合は、なるべく早く業者に現状確認を依頼しましょう。
壁を触る
木部が浸食されると壁の強度が下がり、触ると壁紙の向こうに空間ができます。触ると壁がフワフワとした感触がする場合は木部や石膏ボードに穴が開いている可能性があります。
床の軋みや柔らかい部分がある
床の軋みは経年変化の場合も多いですが、合わせて柔らかい箇所がないかをチェックしましょう。床下だけでなく床のすぐ下まで浸食されている可能性があります。
アリが室内で発見される
シロアリは乾燥に弱いですが、日光にも弱いです。地上で発見されるのは羽アリと呼ばれる種類が多いため、羽がなく白いアリが家の中で発見されることは殆どありません。 もし家屋内で白いアリを見つけた場合、家にある木部は全てシロアリ被害が出ている可能性があります。
戸建てのシロアリ対策方法

火災保険は地震の発生を抑制してくれるわけではありませんが、シロアリ対策は実施することでシロアリ発生を抑制することができます。 シロアリを発生させないポイントは、湿度を下げることです。 木やブロックが家の周りにあるのなら除去し、換気口の周りには何も置かないようにしましょう。 勿論、定期的に屋根裏や床下のチェックも大事です。 それでもシロアリが発生してしまった場合は、シロアリの駆除と再発生させない対策をする必要があります。その場合はどのような方法があるでしょうか。 業者に依頼する場合と自分で対策する場合について、方法と費用を解説します。
業者に依頼する場合
新築戸建ての場合は10年間の防蟻処理があり、節目に防蟻処理や雨漏り対策の提案があります。
まずはこのサービスを一番に検討しましょう。
調査報告や施工技術の信頼性が高く、細かな依頼にも対応してくれます。
築10年以上経過しサービス期間が終了している場合は、民間の業者に依頼することになります。
インターネットで調べると多くのシロアリ駆除があり、業者によって価格や対応差があることが確認できます。
業者に依頼する場合、相場の把握とどんな対策をするのかを確認することが大事です。
シロアリ対策はバリア工法とベイト工法の2種類があり、インターネットで確認できる相場はほぼバリア工法です。
バリア工法

バリア工法は床下に薬剤等を散布し駆除する工法です。
価格は15万円~20万円が相場です。(30坪の場合)
シロアリの活動エリアに散布するため即効性が非常に高いですが、家屋内に薬の影響が出てしまうこともあります。小さい御子様やペットを飼っている場合は注意が必要です。
また、巣にいるシロアリは駆除できないため応急処理という側面が強いです。
ベイト工法

ベイト工法はシロアリ駆除に効果のある餌を地中に埋め、巣ごと駆除する工法です。
価格は20万円~30万円が相場です。(30坪の場合)
人体やペットへの影響が少なく巣ごと根絶できるという特徴がある一方、効果が表れるまでに時間がかかるというデメリットがあります。
バリア工法とベイト工法を併用することで対策としての効果は最大化しますが、費用が50万円近くになります。
自分で対策する場合
シロアリ対策は特に免許が必要というわけではありませんので、自分で薬剤散布などをして対策することができます。 ホームセンターには沢山のシロアリ対策薬剤が販売されており、5,000円~3万円と幅広い価格帯があります。 店員に相談しまずは自分で薬剤散布し様子を見るという方法が一番費用がかかりません。 ただし、薬剤を吸い込んでしまうリスクや散布漏れ箇所からシロアリが侵入することもあるため、しっかりと散布方法と散布箇所をチェックしましょう。
戸建て住宅はシロアリ対策をして快適な生活を
省エネ住宅やZEH住宅と呼ばれる家屋が建てられるようになり、家は魔法瓶のように高気密になりました。 夏は涼しく冬は暖かい家になっているため非常に快適ですが、その分湿度はうまく外に放出できないというデメリットがあります。そのため、床下や屋根裏に湿気が溜まりやすくなります。 温暖化が進み、寒暖差がなくなりつつあるというのもシロアリ被害が広がっている原因とも言われています。
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